トルコのエルドアン大統領はなかなか、アメリカのバイデン大統領との関係がスムーズに進展しないために、苦慮しているようだ。エルドアン大統領はバイデン大統領が就任して数ヶ月経つが、未だに連絡が取れていない。しかし、トルコ側は政府幹部が何度となく、トルコはアメリカと協力する準備が出来ている、と繰り返してきている。
トルコとアメリカの関係がこじれている原因は、第一にエルドアン大統領の尊大な性格にあるが、それ以外にもある、第一にハルク・バンク問題だ、トルコがイランとの間で、アメリカの制裁に違反して、取引をしていたことだ。
このハルク・バンク問題はその後、アメリカにいるハルク・バンクの代表者が逮捕され、収監されていた。話がつかなければアメリカは、トルコに対して200億ドルの罰金を、科する考えのようだ。
最近、イスタンブールの証券取引所のハカン・アテイラ代表が辞任しているが、その理由はエルドアン大統領の命令だったようだ。彼もハルク・バンクでアメリカにいるとき、逮捕され習慣されていたが、2019年7月に釈放され帰国し、この証券取引所長の所長に就任していた。
彼はアメリカの裁判所で、エルドアン大統領がイランとの取引に、どう関わっていたか一切話さなかったため、帰国時には英雄視され、義理息子のベラトが空港に、出迎えたほどだった。その後、エルドアン大統領はバイデン大統領の心象を良くするために、人権行動計画を発表しているが、効果は全く出ていない。
もう一つの問題は、ロシア製ミサイル・システムS400に関わる問題だ。アカル国防相が2月にアメリカを訪問し、トルコはS400ミサイルを格納庫に保管している、と説明している。また、カルン報道官もS400をNATOの兵器と、統合することはない、と説明している。同時にトルコはアメリカ製のパトリオット・ミサイルを購入する意思がある事を説明している。
そして、もう一つの問題は政治犯への対応だが、トルコはこのことについては、何の改善もしていない。現在では政治犯の数が、過去最大に増えているということだ。
どうやら、エルドアン大統領は完全にバイデン大統領の、信用を失っているようだ。その事は彼の大統領としての寿命の、終りを意味するのではないか。その段階でカルンがどう動くのか、興味の集まるところだ。