『バイデン大統領の冷たいトルコ対応』

2021年3月 7日

アメリカのバイデン大統領はトルコについて、既に興味を失っているのではないか、と思われる。それはトルコのエルドアン大統領の、横柄な対応に起因し、トルコ政府の対外対応が粗暴なことも、その原因の一つであろうか。

 これまでトルコのエルドアン大統領は、アメリカは友好国であり、アメリカの大統領とはいつでも会える友人だ、と豪語して来ていた。確かにランプ大統領の時代には、ある程度それは正解であったが、トランプ大頭領も次第に、トルコから心が離れていたことは、事実であろう。

 バイデン大頭領は大統領就任後、カナダに始まり、日本やドイツ、中国、ロシア、イギリス、フランスなどと、電話会談している。しかし、未だにエルドアン大頭領とは、電話会談が成立していない。

 当然のことながら、トルコはもとより世界中で、何時エルドアン大統領はバイデン大統領と、電話会談が出来るのか、ということが話題に上っている。その事について意外な答えが最近出た。それはホワイト・ハウスのジェン・プサキ報道官が、記者団の質問に答えた時だった。

 ジェン・プサキ報道官はこともなげに、「確かにバイデン大統領には、まだ呼び出す必要がある多くの世界の指導者がいて、今後数週間から数ヶ月の間にそれを行う予定だ」と語った。

 つまり、エルドアン大統領がバイデン大統領と電話会談出来るのは、今後数週間以内か、あるいは数ヵ月後だと答えたというのだ。これではほとんど、エルドアン大統領はバイデン大統領から、まともに相手にされていない、ということと同じではないか。

トルコのロシア・ミサイルS400ミサイル購入問題や、リビア、シリア、イラク、アゼルバイジャン、ギリシャとの戦争や対立問題も、アメリカにとっては不愉快なことであろう。その前には、アメリカでエルドアン大統領のガードが、アメリカの警察とデモ対応を巡り、乱闘となり、アメリカの警察を負傷させてもいた。

 どうやら今回の、ジェン・プサキ報道官の発した一言は、とんでもない大きな意味を持ち、今後、トルコ国内の政治情勢に、影を落とすかもしれない。