『トルコ・イランがイラク北部で衝突の危険性拡大』

2021年3月 6日

№6236 3月6日  『トルコ・イランがイラク北部で衝突の危険性拡大』

 イラク北部のクルド地域でトルコとイランが、武力衝突を起こす危険性が、高まってている。それはイラクのシンジャル地域に、トルコ軍が侵入することを、イランが望んでいないからだ。

シンジャルについては、イランが2017年の段階で、イラク政府を支援していたからだ。イランはこの目的で、ハシドシャアビ民兵部隊を結成したのだ。その事はトルコにとっては、シンジャル・テロリスト組織が出来ることであり、脅威にあたった。

イランのイラク・イラジ・マスジェ大使は、クルド人メディアのルドーに対し、アンカラはイラクの主権を、侵害すべきではないと語った。「我々はイラクへの軍事介入を拒絶し、トルコ軍は地域に脅威を与えたり、イラクの土壌に違反したりしてはならない」と先週、ルドーとの独占インタビューで、ムシュタク・ラマザンに語っている。

加えて、イラク・イラジ・マスジェ大使は「我々はイラクへの軍事介入を拒絶し、トルコ軍は地域に脅威を与えたり、イラクの領土に違反したりしてはならない」とも語っている。そして「イラク地域の安全は、イラク軍とその地域の(クルディスタン)地域軍によって、維持されるべきである。」とも語っている。

実はこのイラク・イラジ・マスジェ大使は普通の大使ではない。彼は革命防衛隊のエリートであり、革命防衛隊の前線で活動してきた人物だ。もちろん、アメリカ政府は彼を危険人物として、リスト・アップしている。

トルコの内務大臣はイランを侮辱し、テロリストを収容していると主張している。そうしたことがトルコ側から出てくるのは、1920年代に遡る。トルコは依然として、イラク北部を独自のものとして、主張し続けているからだ。

 トルコは2015年に、アラブ人戦闘員の訓練を支援し、ISISと戦っていたクルド人ペシュメルガを支援するために、バシカに基地を設置していたのだ。そこではイランがトルコとアメリカに圧力を、掛ける動きをしていたからだ。

 イランはイラクのクルド自治を減らしたい、と考えており、トルコはエルビルでの役割を活用して、その自治の一部を協力したい、と考えている。イランはシーア派と民兵を使って、その目的を達成しつつあるようだ。

 そうしたトルコとイランの、歴史的な対立が具体的な、軍事衝突になる可能性を、生み出しているということだ。好戦的なエルドアン大統領が、それに手をつける可能性は高いということであろう。