イランの外務次官であるアラグチは、以前在日大使をしていたことから、日本人でも彼を知っている者は多かろう。静かな語り口であり評判も悪くなかった。その彼が最近ナゴルノカラバフ紛争の後の情況に懸念を述べている。
彼に言わせるとナゴルノカラバフにはイスラム原理主義者が入り込んでおり隣国としてのイランには懸念材料に、なっているということだ。アゼルバイジャンとの関係については「イラン・イスラム共和国とアゼルバイジャン共和国の政治的、経済的、文化的関係は最高レベルにあり、我々にとってアゼルバイジャン共和国は近隣で、非常に重要な国であり、両国の良好な関係は継続するだろう」とアラクチは述べている。
加えてアラグチは。「我々は、地域の国境の変化や国の主権への脅威、地域外の国々の関与に反対しており、イラン・イスラム共和国のこれらの懸念は双方に表明されている」とも語った。
ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの一部として国際的に認められているが、約3万人が死亡した戦争で、アゼルバイジャンから脱却した。1992年以来、アルメニアの支援を受けた民族アルメニア分離主義者によって、支配されていた。2020年9月下旬、紛争地域をめぐってアゼルバイジャン軍とアルメニア軍の間で激しい衝突が起こり情況に変化が生まれ、アゼルバイジャンの支配下に戻った。
それはトルコの支援を受けて、アゼルバイジャン軍は優位に立ち、大きな領土を取り戻した。アンカラは、紛争時に傭兵を送った、と言う非難を否定しているが、戦争の1ヶ月前ごろには、アゼルバイジャンと合同軍事演習を行なっており、相当量の武器がアゼルバイジャンに、搬入されていた。
紛争中のアルメニアの同盟国と、考えられているロシアは、軍事的に味方することを拒否し、停戦協定を仲介し、2つの戦闘国が外交的に紛争を解決できるようになるまで、何千人ものロシア平和維持部隊を送り込み、停戦を実施していた。激しい紛争は、ロシア政府が停戦を仲介した後、11月中旬に終わりを迎え、アゼルバイジャンは主に領土を支配した。アルメニアは紛争地域をアゼルバイジャンに引き渡している。