『トルコのハルク・バンク裁判危険水域』

2021年3月 2日

ハルク。バンクはトルコ最大手の銀行の一つだが、この銀行がマネー・ロンダリングに関与していたことで、いまアメリカで裁判が続いている。これは2018年から続いているものであり、イランの輸出した石油代金の、不法送金などをしていたことが、罪状となっている。

 もしこれが最終的に、有罪ということになれば、ハルク・バンクは国際金融市場でもう活動が出来なくなるし、同銀行の幹部は有罪となり、アメリカの刑務所に、繋がれることになろう。

 トルコ最大の銀行ハルク・バンクは、200億ドルもの大金を、イランの石油輸出代金として受け取り、イランに送金していたのだ。ハルク・バンクはマネー・ロンダリングや銀行詐欺などの容疑で、アメリカの追及を受けているのだ。

 20181月に有罪判決を受けた元ハルク・バンク幹部のメフメト・ハカン・アティラがいる。アティラは昨年、司法取引を受け入れ、アメリカの刑務所を出たにトルコに戻り、イスタンブール証券取引所の総支配人となっている。なおこの司法取引はイラン人のザラブも同様の司法取引を受け入れている。

これでトルコが有罪となれば、最大200億ドルの罰金、または国際銀行システムからの除外、が予想される。現在のトルコの経済は、相当悪化しており、ハルク・バンクが倒産することになれば、何十万人もの投資家が財産を、失うことになろう。

エルドアン大統領の内輪(ザラブとアティラ)と、密接な関係を持つ2人の男は、イランに対する米国の制裁違反や、その他の犯罪に違反した罪で起訴された。「エルドアンはアメリカでの調査を知って警戒した。そして、ハルク・バンクに対する法的手続きがトルコ経済の足かせになるだけではないことは、彼には明らかだったに違いない。また、彼を世界の一般市民にさらすだろう」とデア・シュピーゲルの報告書は述べた。

その窮地にあるエルドアン大統領を、支援してきたのはトランプ大統領だったが、彼は大統領職から離れている。エルドアン大統領万事窮すか。