最近IS(ISIL)のイラクやシリアに於ける活動が、増加傾向にあるということは何度かお伝えした。それは事実であり、その必要を感じているのは、何処の国かということについても触れた。
今回はシリアの難民キャンプで起こっている、IS(ISIL)による殺害事件についてご報告する。シリアの北東部にある大型難民キャンプ内で、男女20人が殺害された、というニュースが伝わってきている。
この難民キャンプはアルホ-ルという名で呼ばれ、過去数か月の間に死亡者は、3倍にも達しているということだ。そこで殺害に及んだのは、IS(ISIL)の戦闘員であり、彼らの意向に従わない者たちが、殺されたということのようだ。
この難民キャンプには、62000人が居住しており、そのうちの10000人がIS(ISIL)の戦闘員と家族たちだということだ
。IS(ISIL)は難民キャンプの中で、他の居住者にも働きかけ、IS(ISIL)に勧誘しているということであり、その影響は今後出てくる、ということであろう。
難民問題の研究者である、アブドッラー・スレイマン・アリーは『アルホールが今後、新しい世代の過激派を生み出す、子宮になるだろう』と語っている。毎日IS(ISIL)の影響を強く受けているのだから、アブドッラー・スレイマン・アリーが語るように、難民のなかからIS(ISIL)に引き付けられる人たちが、出ても不思議はあるまい。
IS(ISIL)は難民キャンプの居住者に対して、支援を送ったり、接触を活発に行なっているのだから、その効果は出て来よう。アメリカは上空から、難民キャンプ内の情報を集めており、そのなかで家族の密輸業者を、見つけ出してもいる。
1月に起った難民キャンプ内の殺害では、少なくとも5人が女性だったということだ。犠牲者の多くは地元の警官や、シリアの一般市民たちだということだ。彼らはサイレンサー付きの拳銃で、頭部を撃たれて死亡していたということだ。
同様のことはイラクでも起こっている。イラクでは難民キャンプの住民が、首を切られて死亡していたということであり、典型的なIS(ISIL)の殺害スタイル、ということであろう。