『中東短信』

2021年2月20日

;米国防省長官皇太子と協力意向

 アメリカのロイド・オースチン国防長官は、ムハンマ・ビン・サルマン皇太子に電話し、アメリカとサウジアラビアの、戦略的防衛パートナーシップの、再確認を行なった。これはバイデン大統領の意向とは異なるようだ。

 バイデン大統領はムハンマド・ビン・サルマン皇太子を、相手にせずあくまでもサルマン国王と、連絡を取るという方針だった。つまり、バイデン大統領はムハンマド・ビン・サルマン皇太子を無視したということだ。

 しかし、ロイド・オースチン国防長官はムハンマド・ビン・サルマン皇太子との間で、戦争を終結させることの、重要性を語っている。彼の考えでは、アメリカはあくまでもサウジアラビアを、戦略的パートナーとするつもりのようだ。

 他方、バイデン大統領はムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、カシオギ殺害に関与しているとし、彼との会話をするつもりはない、ということのようだ。プサキ報道官は、バイデン大統領はサウジアラビア対応に、我々の考えがあると語り、ジャーナリストからの質問に対しては「私が知っている限り、バイデン大統領はムハンマド・ビン・サルマン皇太子とは電話会談するつもりがない」と答えている。

 大統領選挙運動の過程では、バイデン大統領はムハンマド・ビン・ルマン皇太子を、率直に批判していたし、サウジアラビアへの武器輸出も、止めると言っていた。

 このロイド・オースチン国防長官の発言は、アメリカが対サウジアラビアで、軌道の一部を修正することを、意味しているのかもしれない、何せサウジアラビアは大口のアメリカ製武器の、輸入国だからだ。アメリカも背に腹は替えられない、ということか。