『ボアジチ大学でも拡大社会に飛び火も』

2021年2月11日

 トルコの名門大学であるボアジチ大学で、学長のすげ替えに抗議する、学生のデモが続いている。学生のデモの数は日に日に増加しており道路は彼らでうずまっているということだ。

 こうした動きは2013年の抗議行動を、思い起こさせる危険なものであるようだ。他方では、エルドアン大統領の経済政策に対する不満が、トルコ国民の間で高まっている。 

 あるでも参加者が言うには『殺人行為は罰せられず、暴徒は刑務所から自由に出歩けて、私たちの仲間はツイートしただけで拘束されています。私たちはこれを見逃すことは出来ません。』と語っている。

 警察はイスタンブールで数百人を拘束し、アンからやイズミールでは、小規模な連帯集会で、数百人が拘束されている模様だ。そこでは警察が容赦なくゴム弾や催涙弾でデモ隊を攻撃しているということだ。

 このボアジチ大学のデモは、トルコ社会の経済に対する不満を、暴発させる危険性がある。トルコ国民の不満のはけ口に、なりかねないということだ。ある者は大取るよう侮辱罪で逮捕され、ある者はソーシャルメデアで投獄されている。

 エルドアン大統領の学長すげ替えは、全くデタラメで、非合法なクルドテロ組織と、関係があるというものだった。同じように大学だけではなく吸う十人の市長も首になりすげ替えられている。

 こうしたトルコ国内の情況に対してドイツのマーシャル基金は抗議行動は拡大する可能性は低いと見ているようだ。しかし、そうであろうか、どうもそうは思えないふしがある。

 こうした流れの中で、アメリカのオレゴン州の上院議員のロン・ワイデンはエルドアン大統領を許すなと言い始めている。彼に言わせると『エルドアン大統領はシリアでISISと戦う米国の支援を受けたクルド人を厚かましく攻撃し、彼は彼らが米国の技術と相容れないという警告にもかかわらずロシアの防空システムを購入し、彼はアルメニアとの領土紛争を解決するために暴力を使用するようにアゼルバイジャンに奨励しました。』ということだ。

 加えてロン・ワイデン議員は『エルドアン大統領と彼の政権に対し、国内外の異議申し立てに対する弾圧を直ちに終わらせ、政治囚と良心の囚人を釈放し、権威主義的な道を逆転させることを強調するよう強く求める。』とも語っている。

 一気に暴発するとは言いきれないかもしれないが、トルコ国民の政府に対する不満を味方に付けた、ボアジチ大学の学生運動は、拡大していくと考えるべきではないのか。少なくとも楽観は許されまい。