『イランにアメリカから朗報か』

2021年2月 4日

 最近、イランに対するアメリカの対応に、変化がありそうな気配が出ている。それは述べるまでも無く、アメリカの大統領がトランプから、バイデンに代わった結果であろう。その兆候とは、アメリカがペルシャ湾に派遣した、ニミッツを引き上げることを、決定しことだ。

 このことは、アメリカがイランに対して、軍事的な圧力を掛けることを緩める、というサインであろうと思われる。従って、この動きは大型艦の撤収であることから、費用もかかるため、安易には決められまい。従って、アメリカのイランに対する軍事的な締め付けは、今後も緩んでいくことが、継続していくのではないか、と思われる。

 そうなれば、ペルシャ湾の各国に与える影響も、大きいのではないと思われる。サウジアラビアを筆頭とする、アラブ湾岸諸国のイラン敵視の感情が、和らぐことは必定であろう。

 もう一つの朗報は、アメリカがイランに対して、航空機を売るのではないか、という話だ。イランは1979年のホメイニ革命以来、アメリカから旅客機を購入することが適わず、中古の旅客機で間に合わせて、きていたのだ。それは極めて危険なことであったろうと思われる。

 いまの段階で分かっていることは、イランがエアバス社から100機、ボーイング社から80機、ATR社から20機を購入する予定だということだ。これはトゥーラジ・デフカニ・ザンガネ最高経営責任者が語ったものだ。

 イランはアメリカが制裁を果たす前の段階でエアバスから3機、ATR社から13機輸入することが出来ていた。バイデンはここに来てイラン制裁を緩める動きに出ているようだが、そのための手続きをしなければなるまい。

 現在、イランには162機の航空機があり、いまでは航空量は50パーセントも、減っているということのようだ。イラン政府は航空会社に対し、5700万ドルの低金利で融資をして、支えてもいる。

 このアメリカの制裁下で、イランは中古機を世界の市場から購入し、苦しい航空事情を何とかしてきていたのだ。最近ではヨーロッパから、8機の中古機が届いているが、この後も、16機がイランの正月前に、到着するといわれている。

 イランは石油生産では、大きな力を持っている国だけに、何とか国際石油市場に、復帰して欲しいものだ。アメリカも台所事情が厳しいことから、今回の立場変更を、始めたのではないか。