『ISがイラク北部でテロ継続』

2021年2月15日

 最近、IS(ISIL)がシリアやイラクでテロ活動を、活発化させていることは、既に報告したが、最近では次のような、テロ行為が明らかになっている。イラクのサマッラ警察本部前で、IS(ISIL)のテロリストが自動車爆弾を爆破させたが,その際、別れのクラクションを押したところ、これが起爆装置と繋がっており、爆発してテロリストが死亡した。この爆発でIS(ISIL)側テロリストが、21人死亡している。

 これはIS(ISIL)のテロリストによる、作戦失敗のケースだが、それ以外にも、クルド地域のタググ市でイラク軍への攻撃を開始し、警官2人が死亡し、2人が負傷している。これ以外にもクルデスタン地域のトウズ、クルマトウ、ジャラウラ、ハナキンでもテロ攻撃が定期的に起こっている。

 モースル南部でも、警官がパトロール中に、イラク兵が3人負傷している。つまり、最近では定期的かつ計画的に、IS(ISIL)のテロがイラクでは起こっている、ということだ。その理由は、イラクの石油をある国が奪取するための、前哨戦なのであろう。

 イラクを不安定化させれば、外国軍はイラクの治安を守ってやる、という正当な理由が出来て、そこに留まれるからだ。他方、イラク国民の間からは、アメリカ軍は出ていけというデモが、続いているのだ。

 こうしたなかで、イラク政府は何とかアメリカ軍に留まってもらい、国内の治安を確保したい、と考えているのだ。イラク政府と国民との乖離を埋めるには、IS(ISIL)によるテロが必要不可欠、ということだ。