『トルコは早期選挙無しと与党AKP』

2021年1月28日

 トルコでは野党や一般国民からは、選挙を早めて、民主化を進めるべきだ、という声が高いようだ。それはそうであろう。巷では失業、貧困、インフレ、物価高、金利上昇といいことはほとんど無い。

 国民はエルドアン大統領の進める、対外戦争政策で厳しい経済状態のなか、塗炭の苦しみに押し拉がれているのだ。そこで早期に選挙を実施して、エルドアン大統領による独裁体制を、終わらせたいというのが、大方の希望であろう。

 IYI党のアクシュエネル党首は、クルチダウール外相兼議長との対談の仲で、2002年から権力を握っている与党AKPは、国を正しい方向に運営してはいないと批判し、そのような状態から抜け出すためには、早期に選挙を実施すべきだ、と主張した。

 彼女は選挙がいまのトルコには必要であり、雇用の透明性を計るべきであり、独裁を許すべきではないと語った。またトルコでは金持ちに金が流れる状態にあり、貧しい人たちはその下で、死に追いやられている、とも語っている。

 トルコでは2018年以来、大統領制を導入し、権力のほとんどがエルドアン大統領に、集まるようになった。彼はまさにワンマン・ショウの統治を行っているのだ。その事に対する国民の不満は、当然のことながら、日に日に増している。

 トルコの選挙制度では5年毎に、選挙が行われているのだが、それに従えば、次の選挙は2023年だが、それまでは持ちこたえられない、というのが国民の正直な感情であろう。

 CHPのアルトマン副党首も、トルコはAKPの統治の下に、重大な人権侵害が起こっているということだ。それを打破するには、言論の自由が保障されなければならない、と語っている。しかし、現実にはそのようなことは、現体制下では起るまい。