『中東短信』

2021年1月27日

 『中東短信』

:リヤドにミサイル攻撃

 サウジアラビアの首都リヤドに、ミサイルが飛んできたようだ。今回はそれを補足し、撃墜に成功したかの情報を、伝えている。確かに、首都へのミサイル攻撃は、恐ろしいことで、ミサイルが爆発していたら、とんでもない被害が、出ていたことであろう。

 加えて、そういうことになっていれば、サウジアラビア政府がアメリカ製の防衛システムを、信用できなくなっていたろう。サウジアラビアのアルアラビーヤTVの報じるところによれば、ミサイルは補足され、撃墜されたということであり、一部映像も添付されていた模様だ。

 もちろん、このミサイルを発射したのは、イエメンのホウシ派であり、ホウシ派の背後にはイランがいる。つまりイランがこの時期に、何らかの目的を持ち、ホウシ派にミサイルを発射させた、ということであろう。

 アメリカのバイデン政権が友好国の防衛に、何処まで注力するのかを、テストしたのであろうし、アメリカ製防衛兵器の性能が、どの程度なのかを、調べたのではないか。もちろん、イランには大量のミサイルを、サウジアラビアに向けて発射させ、リヤドを炎の渦に巻き込むつもりはあるまい、あくまでも警告程度、テスト程度ではあろうが。

 

:シリア軍ヘルモン山に接近

 シリア軍とイスラエル軍は、国境地域で対峙しあっているが、その一部であるヘルモン山付近のレバノン側に、シリア軍が集結しているようだ。イスラエル軍側はシリアの民間住宅地域にも空爆をしており、民間人の家族全員が死亡、というニュースも伝わってきている。

 シリアのデルゾールやアブカマルにも、イスラエル軍による攻撃が繰り返されてお、既に25人から50人ほどの死者が、出ているということだ。またシリア側の軍需工場地帯に対する攻撃も、繰り返されている、と報告されている。マサフにある工場群は、ミサイル用エンジンやロケット弾と、その弾頭を製造している。

 イスラエル軍はこの夏には、長期間の軍事訓練を計画しており、これはシリア軍だけでは無くヘズブラも含まれており、イランへの明確なメッセージを送ることに、目的があろう。だが、それが本格的な戦闘になるとは考え難い。コロナが抑止効果を、生み出しているからだ。