イスラエル政府と世界のユダヤ教徒は、反ユダヤというか、反セムの考え方が、世界で拡大している、と考えている。その事に大きな不安感を、抱いているのだ。その傾向はここ数年の間に、次第に拡大し強まっているのではないか、と思われる。
反セムの考え方は、結果的にドイツでホロコーストを生み出した、と考えていることから、異常なまでに不安を、募らせているのだ。それは事実であろうか。我々非ユダヤ教徒にはそうした不安感は沸いてこないのだが、彼らにしてみれば制止が罹っていることから無理の無いことかもしれない。
そもそもの考え方は、反ユダヤ教徒側の人たちに言わせると、ユダヤ人が世界で持っている力は大きすぎるということにあろう。日本でも世界のマスコミ、金融などは、ユダヤ人に支配されている、と考えている人達は、少なくないのではないか。
また、世界で一番大きな力を持っているおはアメリカであり、そのアメリカで政府を動かしているのも、金融、マスコミ、映画界、通信社を支配しているのは、ユダヤ教徒だと考える人は、少なくなかろう。
確かにアメリカの金融界やマスコミ、映画界通信社を牛耳っている人達のなかにはユダヤ人が多い。日本の場合はその事について『ユダヤ人は優秀だからそうなった』と考える人も多いため、あまり問題にはならない。日本人のなかでユダヤ人たちは危険だ、と考える人は少ないのではないか。
アメリカでは議会の議員や政府の内部に、沢山のユダヤ人が参加していることは事実だ。またユダヤ人だとは言っていないが、ユダヤ教徒だろうと思われている人達も、少なくない。
しかし、アメリカにおけるユダヤ人の実態が明確に走られていないために疑心暗鬼となり、場合によっては反ユダヤオ激しい感情を生み出すことになる。そうしたことは世の中が悪くなっていくとその刑効は強まるのであろう。経済的な混乱や政治的な不平等といった問題は常に人はその元凶を探す傾向がある。
いま、アメリカは大混乱の中にあり、それに伴って反セムであるとか反シオニズム、ハニュダヤという感情が高まっているのであろう。それが近い将来アメリカでも、ホロコーストを引き起こすのではないか、といわれる所以だ。
こうなると世界のユダヤ教徒はイスラエルへの移住を望むようになる。イスラエルだけがユダヤ人を差別せず守ってくれる国だと考えるからだ。仲でもフランスからのイスラエルへの移住者は増えているようだ。
フランスは日本では自由で平等な社会というイメージがあるのだが、人種差別の最も厳しい国は先進国のなかではフランスではあるまいか。それをユダヤ人たちは、体感しているのだ。
ただいえることはユダヤ人たちがそう感じ、被害者意識をつのらせて行き、それに対する対抗策を考えれば考えるほど、社会は反ユダヤ的な方向に変わって行くのではないだろうか。
強い危機感を持つことは、かえって敵を増やすという認識が、大事なのではないのか。21世紀のいま、世界で反セムとか反シオニズムとか、反ユダヤといった考えが拡大することは、あってはなるまい。日本はそれからユダヤ人を守ってあげられる、防波堤になれる数少ない国ではないか。