トルコの経済状態はどうなのか、ということに関する細かい報告があった。それは最近、自殺者が増えていることや、会社の倒産不良債権の急増など、問題が極めて深刻なことによろう。
財政状態から出た自殺者の数は、2018年の7,3パーセントから、2019年には9,4パーセントに増えている、ということらしい。インフレも酷く2020年は前年比で19,5パーセント、年間平均のインフレ率は、16、16パーセントだということだ。
2020年に倒産した企業の数は12206社、前年に比べ11パーセントどうということだ。だが、他方、個人所有の企業数は14,39パーセント増加しており、19665社ということだ。つまり、破れかぶれの会社設立ではないのか。
2020年の失業者数は、1000万人と報告されており、この数字は2021年にも増加が見込まれている。トルコの人口は8000万人ちょっとであり、1000万人の失業は大きな割合であろう。
不良債権については、1500億トルコ・リラ(200億ドル)を超えており、製造業や建設業は不良債権を、250億トルコ・リラ(33億ドル)も出している。卸小売業では240億トルコ・リラ、エネルギー部門では150億トルコ・リラと報告されている。トルコ国鉄は2020年に、やはり赤字を記録しており、職員への給与支払いが、困難になりつつある、ということのようだ。
それにも拘らず、エルドアン大統領は夏冬両方のための、宮殿建設を進めている。夏の宮殿は地中海に面したマルマリスに、6億4050万トルコ・リラ(8500万ドル)をかけて建設され、東部トビリシの冬の宮殿は9900万トルコ・リラ(1300万ドル)かかるということだ。こうしたことから、公共支出は1727億トルコ・リラ(230億ドル)で、前年比の38,5パーセント増となっている。
ローンについては、自動車購入ーローンは5ポイント上昇し、20パーセントを超えているし、商業ローンも20パーセントを超えている。加えて、消費者ローンは23パーセントということだ。
当然、これでは諸民の生活は大変であり、政府の作った安価な消費物資、食料品マーケットには、零下4度という寒さの中で、購入希望者たちは長蛇の列を作って、並んでいるのだから気の毒だ。こうしたこともあり庶民は一日でも早い、選挙の実施を希望しているのだ。それは言うまでも無く、エルドアン大統領を辞任させたい、ということからであろう。