以前、エルドアン大統領のマルマラ大学卒業は、嘘だというニュースが流れたことがある。どうも卒業証明書を大学に出すように、働きかけても出てこなかったことから、これは間違いないだろう、と一般では判断されたようだ。
その後は、大統領権限が働いたのであろうか、うやむやという形でファイルは閉じられている。だが、今度はエルドアン大統領が高校を、卒業していないのではないか、ということが問題になっている。
これは左派の人民解放党(HKP)が、エユップ高校に卒業の確認をしたところ、証明書を出さないばかりか、エルドアン大統領が在籍していたか否かについても、返答が無かったということだ。
トルコでは専門学校を出た後、大学に入学しようとすれば、追加のコースを受講することが、義務つけられているのだ。エルドアン大統領の場合、彼はイマームを養成するイマーム・ハチプ専門学校を卒業していることから、大学に進学するには、追加のコースを受講する必要があったのだ。
そして、このことに関してエルドアン大統領側が、明らかにしたところによれば、1973年に追加コースを受講しながら、彼はマルマラ大学(エルドアン大統領はマルマラ大学の経済学部卒業と言われている)に、入ったことになっているのだ。だがそれは許されないことであり、二つの学校(大学進学補講学校と大学の授業)で、同時期に学ぶことは出来無いのだ。
野党人民解放党(HKP)の主張が、真実であるとすれば、エルドアン大統領は大統領になる資格が、無いということになる。トルコの法律では、大統領になる資格は大学を卒業している、ということになっているからだ。
だが、2014年に彼が大統領になった時点では、彼の大学卒業証明書が、出されていないのだ。従って、このことから与党AKPとエルドアン大統領は、学歴詐称で槍玉に挙げられていた。
昨年12月、エルドアン大統領の補佐官が、偽の高校卒業証書を使って、大学に入ったという報道が浮上していた。
エルドアン大統領と同じように、元オリンピックのレスリング選手イエリカヤが、偽の高校卒業証書を使い、現在はエルドアン大統領の特別顧問となっている。ニセモノでも誤魔化しでも通るのが現在のトルコ政界事情ということか。