パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長が、選挙を実施することを宣言した。選挙日は今年の7月31日ということだが、どうも胡散臭い気がする選挙に、なりそうだ。
それは対抗馬の最有力とされている、ムハンマド・ダハラーンの立候補を、認めない方針だからだ。その理由は、ムハンマド・ダハラーンがパレスチナ自治政府の、金1600万ドルを、不法に入手したからだということだ。このトップ選挙に先立って、パレスチナ立法評議会の選挙は、5月22日に実施される、予定となっている。
この罪でムハンマド・ダハラーンは、懲役3年の判決を受けている。彼は以前にアラファト議長暗殺を企てたとして、ファタハから追放され、アラブ首長国連邦に亡命している。そこで彼は、シェイク・ムハンマ・ビン・ドザーイド皇太子の特別顧問に、就任している。
もし、ムハンマド・ダハラーンが逮捕されれば、彼はパレスチナの刑務所に収監されることになろう。だが、彼の人気はガザでは相変わらず高く、多くの支持者がいる。彼の支持者たちはヨルダン川西岸地区にもおり、彼の追随者たちも武装民兵を結成した者たちが、逮捕されている。それはラマッラとナブルス、そしてジェニンでだ。
ムハンマド・ダハラーンはガザのハンユーニス難民キャンプで生まれ、ガザの最高責任者を務めていたのだが、アッバース議長の政敵と見なされたことで、その職責から追われていた。
ムハンマド・ダハラーンのグループのメンバーは、アッバース議長側を汚職者として抗議していたのだ。それ以外にもガザは種々の制裁を受けている。ファタハ反体制派グループのガッサーン・ジャダッラーは、ファタハのメンバーに対して、選挙に全力で挑むよう呼びかけている。
同じように、ムハンマド・ダハラーン支持者である、マジッド・アブ・シャマラも選挙の公正を語り、自由でなければならないとしている。パレスチナ人と全てのグル-プの代表者の政治行動を、保証するということだ。
彼ら以外にも、ファタハのガザ地区の指導者のスフィアン・アブ・ザイダも、ファタハが統一リストを通じて、選挙に参加することを、望んでいると語っている。
マハムード・アッバース議長の汚職は、パレスチナ人の間では広く知られており、そろそろ誰かに代えたい、という感情は広がっており、もし選挙でムハンマド・ダハラーンの立候補を認めれば、マハムード・アッバース議長は敗れる事が必定であろう。