『リビア内相アメリカのバイデン政権に期待』

2021年1月10日

 アメリカの大統領がトランプから、バイデンに交替するいま、リビアのバシャガ内相はバイデン新大統領に期待を寄せている。国連が支援するバシャガ内相はアメリカの高官をリビアに招待している。

 バシャガ内相はバイデンの当選により、我々の希望は大きく持ち上げられた、と言うのだ。元空軍パイロットであり、ビジネスマンでもあるバシャガ内相は、将来、リビアの首相になる候補の、有力な一人といわれている、彼自身も自分が将来首相になることをほのめかし、その任に当たる覚悟は出来ている、と語っている。

 バシャガ内相は外国軍の、リビアにおける存在が問題だとし、彼らは穏やかに撤収していくだろう、と語った。トルコは西側リビア政府を支援しており、自国の軍人を派遣し、シリア人の傭兵も送り込んでいる。

 これはリビアとのビジネスを拡大させたいという、トルコの意向によるものであり、それはロシアも同じだ。ロシアはリビアとの数十億ドル規模の、ビジネスを目論んでいるのだ。アメリカとの関係では、シルテのイスラム勢力を掃討することを、期待していたようだ。

実際にアメリカはリビア南部で、IS(ISIL)のメンバー数十人が、殺害されたことを、報告している。IS(ISIL)のメンバーはリビア南部で、ビジネスを行っていたらしい。他方、ハフタル将軍側はIS(ISIL)の武装勢力を標的に、攻撃を加え、その中でIS(ISIL)の幹部を殺害している。

 トランプ大統領はこうしたことから、ハフタル将軍に連絡し、対IS(ISIL)の作戦を賞賛したようだ。

 バシャガ内相はいま最も注目されえる、セラジ後の首相候補だが、彼は現状についてハフタル軍側と戦う上で、民兵に大きく依存している、と語っている。それは事実であろう。だが、この民兵集団は誘拐、民間人への攻撃の責任も、負っているのだ。

 バシャ内相にすればこの民兵への対応が極めてデリケートな問題であろう。つまり、リビアの内情は未だに、不安定だということだ。