イスラム教が政治に及ぼす影響というか、あるいはその逆に、政治がイスラムに及ぼす影響というか、その情況がトルコ社会では、低下しているようだ。
いまトルコの国民は最低賃金と、高い生活費に苦しんでいるようだ。カデル・ハス大学のムスタファ・アイドン教授の行なった動向調査によれば、政治的イスラムを支持する国民の数は、2017年の47パーセントから、2020年には34,6パーセントに、下がっているということだ。
つまり政治とイスラムとの関係を重視する、国民の数が大幅に減少している、ということだ。それは財政状態の悪化によるとし、51,8パーセントがそうだと答え、これでは自分と家族を支えることは、不可能だと考えているということだ。
その一つ原因はコロナの蔓延が、日常活動を制限しており、その結果起った、高い生活費と失業、と答えている。8300万人のトルコ国民の半数が、いまでは最低賃金かそれ以下の収入を、得ていると報告されている。
2020年に2435トルコリラ(327ドル)を得ていた労働者は、家族との食事、1,85トルコ・リラ(0,25ドル)しか、使っていないようだ。
これでは国民の半分は生活が成り立たない、ということで借金をしていかなければならなくなっているのであろう。その不満が何時爆発するのかは、時限爆弾のようなものであろう。
もちろん、その爆発はエルドアン大統領に対して向かおう。世界中から伝えられるエルドアン体制への評価は、皆軒並みに厳しいものになっている。