『韓国タンカーはノーリターン』

2021年1月 6日

 イランが韓国船籍タンカーを拿捕したことは、日本でも知られているが、今後どうなるのかについては、まだ分かっていない。ミャンマーやベトナム、韓国、タイなど複数の国籍の、乗組員がいるようだが、彼らはとりあえず拘留所に、留置されているようだ。

 彼らに対する処遇は、案外丁重なものに、なるのではないかと思われるし、食料が不足するようなこともあるまい。もちろん、コロナ対策も取られるのではないかと思う。それはイラン政府が諸外国の注視の下で、乗組員に非人道的な、処遇をしたとなれば、大問題になるからだ。その面では出来るだけ、非難を受けないようにしよう。

 そして案外、彼らの釈放は早い時期に、実現するのではないかと思われる。イラン政府は一通りの取調べをして、事実を掴んだら、後は面倒だから釈放する、という立場ではないかと思われる。

 しかし、タンカーの返還については別であろう。結構な値段のタンカーを、そう簡単には手放すまい。それは韓国政府にとって、頭の痛い問題になりそうだ。何故ならば、既にイラン政府はタンカーを取ったことは、韓国がやっているイランに対する、経済制裁に比べれば、軽いものだと言っているのだ。

 韓国はイランから買い付けた、(ただで手に入れた)石油代金をアメリカによる制裁がらみで、支払い不可能だとして、支払っていないのだ。イラン側に言わせれば、人道的な医薬品やその他の物資は、輸出可能であり、その代金で石油代金を取り戻そう、としているのだ。

 韓国の外務次官が早速、イランに出向き交渉に入るようだが、遅々として進むまい。イラン側はできるだけ結論を、先延ばしするつもりであろう。あるいは、タンカーを石油代金代わりに、没収してしまうかもしれない。

 韓国は今回のタンカー拿捕後、韓国の艦艇を地域に、派遣したようだが、だからと言って発砲することは出来まい。せいぜい、強がりの示威行為だけに、留まるものと思われる。イランはそれに対して、何倍もの軍事的圧力を、掛けることになるのではないか。

 韓国は交渉上手と考えているが、イランはもっと交渉が上手い国なのだ。ズルズルと何処までも引き延ばされ、結論が出ない状態が続き、最後には韓国が折れるのではないかと思われる。しかし、韓国にはイランが要求している、石油代金を支払うだけの金は無いので、支払いによって問題を解決することは、不可能であろう。

 そうなると韓国の得意な、アメリカにぶら下がっての問題解決、という手段であろうが、アメリカは大統領就任が遅れるだろうから、韓国の問題解決に、簡単に協力してくれるとは思えない。イランが強気で出れば、アメリカはそれを口実にイランに、軍事的な圧力を増すだろうが、アメリカとてカタールの米軍基地の存在と、アメリカ兵の安全を考えれば、そう簡単には手が出せないのだ。

 いまの時代はドローンが主役であり、ドローンに爆弾を搭載して、カタールのアメリカ軍基地を、攻撃することは可能だ。ドローンは安価であり、いまではコンピューター・コントロールで何処でも、正確に飛ばせ目標を、攻撃できるようになっている。

 サウジアラビアで既に明らかになっているのだが、アメリカのドローンに対する対抗策は、ザルのようなものであ、完璧ではない。例え90パーセントのドローンを、撃墜出来たとしても、残り10パーセントはアメリカ軍の、基地に到達するだろう。 

 そう考えると、アメリカはイランに対して、恫喝するだけであり、実戦には至るまい。つまり、韓国のタンカーは当分返還されないか、没収されてしまうということだ。弱り目に祟り目、韓国は今年も大変なことになりそうだ。