『エルサレムの土地UAE王族に売却か』
イスラエルではアラブ首長国連邦との関係正常化を、大歓迎するムードなのだが、このなかで一つ気になるニュースが、流れ始めている。それはエルサレムの土地を、アラブ首長国連邦の王族が購入する、というニュースだ。
このことについて、イスラエル国内では売ってはならない、という声が高くなってきているのだ。金儲けに敏感なユダヤ人にしてみれば、法外な価格でエルサレムの土地を、買ってくれるアラブ首長国連邦の王族は、大歓迎なはずなのだが、どうもそうは行かないようだ。
アラブ首長国連邦の王族にしてみれば、エルサレムの土地を購入することは、一つの念願であったろう。エルサレムはイスラム教の大三の聖地なのだから、その価値は金には替えられまい。
他方。ユダヤ人というかイスラエル人にしてみれば、念願のエルサレムの土地であり、このエルサレムをイスラエルの首都として、世界に認めさせることは、長い間夢見てきたことであろ。
それを実現に近づけてくれたのはアメリカのトランプ大統領だった。トランプ大統領はアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転することで正式にエルsレムをイスラエルの首都として笑みとめたのだ。
その後はアメリカの力で多くの国がアメリカ大使館の移転に追従する形となった。だが、ここでアラブ首長国連邦の王族がエルサレムの土地を買ったとなれば、サウジアラビアなど他のアラブ湾岸諸国の王族もそれに追従するのではないか。
そうなるとエルサレムの一角は、完全にアラブの土地となる、ということだ。それはエルサレムに新しいモスクが、建設されることにも繋がろう。毎日5回の礼拝時にアザーン(礼拝への呼びかけ)が、大音声でとどろいたのでは、ユダヤ人たちは気が気ではあるまい。
これではユダヤ人のための、ユダヤ教の町ではなくなってしまおう。そして、そのなかではパレスチナ人が肩で風を切って、闊歩することにもなろう。高く土地を売って儲けることが先か、あるいは宗教的国家的価値を、優先するかということが、まさにいまユダヤ人が問われていることなのだ。