『コロナ・ワクチンにあせるトルコ韓国』

2020年12月31日

 トルコは中国からコロナ・ワクチンの輸入を取り決めている。これでコロナがトルコで拡大することは、阻止できるだろうということであろう。その明るい見通しは結構なのだが、トルコ政府には少し焦りが感じられる。

 トルコの外貨収入の、大きな部分をカバーしているのは、観光収入であり外国からの観光客を、確保できるか出来無いかが、トルコ経済の浮沈を決めることになるのだから、コロナ防止のワクチンを入手することを、あせる気持ちは分からないでもない。

 しかし、現段階でのワクチンに対する評価には、厳しいものがある。いま最も信頼できるはずの、アメリカ製のファイザーのワクチンは、必ずしも安全では無さそうだ。アメリカではワクチンを注射した看護婦がコロナに感染しているのだ。アストラゼネカについても同じだ。アメリカのワクチンもイギリスのワクチンも、安全ではないのだ。

それ以外に出来上がっている、評価の高いワクチンも、注射した後に各種の悪い影響が、起こっているのだ。そんななかで、中国が生産したワクチンはどれだけ信用できるのか、ということになるのだがトルコは、どう考えているのであろうか。

 中国がコロナの感染の発生元であり、中国は15億を超える人口を誇る国だけに、ワクチン試用で死者が出ても、別に大きな問題にはなるまい。しかし、このワクチンを外国に輸出した場合は、輸入国で不測の事態が起りうるのだ。

 エルドアン大統領はワクチンの輸入を、早急に進めて国民を守ろうとしている、と言いたいのであろうが、全く逆の結果が出ることもありうるのだ。その場合、中国に責任を擦り付けても、何ともならないのだが、その点は独裁国家の強みなのであろうか。

 似たようなことが韓国政府も行っているようだ。アメリカのファイザー社と交渉して、とりあえず2000万人分ほどのワクチンを輸入し、その後はライセンス生産を、韓国内で行うというものだ。

 アメリカにしてみれば、ワクチンの独占は大きなビジネス。そう簡単にライセンス生産を認めるとは思えない。しかも、韓国の技術でそんなデリケートな薬が、生産できるとも思えない。ワクチンは携帯電話とは違うのだ。

 こんないい加減な対応をしているのでは、数千人から数万人単位の犠牲者が、出るのではないか。日本が極めて慎重な対応を、ワクチンの生産と使用許可にかけているのはそのためなのだ。

 トルコのプロブレムヨク(問題ない)や韓国のケンチャナヨ(気にしない)では済まされまい。いい加減な国の国民はたまったものではあるまい。