『リビア独立記念パレードと内情混沌』

2020年12月25日

 リビアは独立69周年記念行事が、かつてのグリーン広場で華々しく開催された。述べるまでも無く、このパレードにはセラジ西側政府GNA首相も参加した。彼らGNA幹部や軍人は、皆マスクをしての参加だった。

 ところがこうした記念行事のオ反対側ではハフタル将軍がトルコに警告を発している。曰く『植民地化する敵は平和的に去るかあるいは、力によって追い出されるかだ。』と語っている。

 ここでハフタル将軍が語っている、追い出される相手とは、トルコ軍のことだ。トルコはGNAに対して、軍隊を送り込み、3000人以上の傭兵を送り込み、そして武器も大量に送り込んでいる。そのお陰でGNAは何とか、トリポリを守りきっているのだ。

 今のリビアの情況はこう着状態にあり、動きが取れない状態だ。10月にGNAとLNAとの間で交わされた合意では、3ヶ月以内に全ての外国軍がリビアから、撤退することになっているが、その気配は全くない。

 「ミッションはリビア人に対し、彼らの努力を統合し、国民和解に向けて勇気ある一歩を踏み出し、すべてのリビア人が平和と繁栄の中で生きるための明るい未来を楽しみにするよう求める一方で、リビア国民が統一国家を構築するのを支援するという完全なコミットメントを肯定する」と木曜日に発表されたUNSMIL声明は述べた。というのだが空念仏に過ぎなかろう。

 結局10月に交わされたGNAとLNAの合意に盛られている暫定政府(統一政府)の結成も出来無いでいる。つまり、リビアは今緊張状態を、継続しているということだ。そこでハフタル軍もGNA軍も、シルテなどの要衝の近くに、軍と武器を大量に運び込んでいる、ということのようだ。

 リビアは来年もこの状態が続くのであろうか。願わくばリビア人人同士の殺し合いは、止めて欲しいものだ。そうは言っても、リビアは元は東西と南の3箇所に、分裂していた国であり、統一政府や統一国民という意識は、カダフィ体制が打倒された後は、薄いのであろう。