『リビア議員トルコの軍駐留非難』

2020年12月24日

 リビアの国会議員であるザイダーン・ザドマが、トルコ軍のリビア駐留を非難している。そして、トルコが西側リビア政府であるGNAと交わした、18ヶ月のトルコ軍駐留延長は問題だ、と指摘した。ザイダーン・ザドマに言わせると、トルコはリビアから政治的経済的利益を、受けることを狙っているというのだ。

ザイダーン・ザドマに言わせると、トルコはリビアに軍事進出し、8月のリビア国民が交わした平和への、プロセスを破壊するつもりだ、ということだ。

ザイダーン・ザドマが言うには、トルコはリビアが不安定なままである方が、利益に繋がる、と見ているということだ。なおこの人物は、リビアの防衛治安委員会のメンバーだ。

 トルコはリビアで達成した平和への、プロセスを破壊するために、国際的合意を駄目にしようと考えており、その合意のなかに歌われた、全ての外国軍の撤退に、真っ向から違反しているのだ、ということだ。

 それにあわせ、トルコは西側リビア政府GNAに対して、武器を送りつけてもいる。これも合意に反する動きだ、ということだ。

 トルコがリビアとの間で交わした、東地中海海域の海底資源についても然りであり、そこはキプロスの海域と重なっており、そこにはガス資源があるのだ。これは石油資源を守る、国際合意に反するものだ。

 8月22日に西側GNA政府と東側LNA政府の、二つのリビア政府が交わした合意では、シルテ港での戦闘や、ジュフラ空軍基地での、戦闘は避けることになっている。そして2021年12月には、国会議員選挙が実施される、取り決めが成立している。

 加えて、西側GNA政府と東側LNA政府の、戦闘員の捕虜交換も合意には、記されている。その上で二つのリビア政府は、石油の生産と輸出を、再開し実現しようという合意なのだ。

 西側リビア政府GNAは、トルコとの結びつきによって、GNAを強化しようという目論見だ。GNAの国防相であるサラーハッデーン・アルナムロウシュは『トリポリ政府はトルコとの関係を強化し、優位に立とうとしている。』と語っている。

 事実そうであろう。トルコは何とかリビアからの、利益獲得を維持したい、と思っているし、西側GNAリビア政府のセラジ首相は、自分の身の安全と利益を、確保したいと考えているということだ。