『サウジアラビアのコロナ感染』

2020年12月18日

 ほとんど情報の出てこないサウジアラビアから、コロナに関するニュースが伝わってきている。以前からサウジアラビアの国内状況、なかでもコロナの感染については、関心があった。私からすれば、そのコロナが体制転覆にも影響を、及ぼす危険性があったからだ。

 その情報によれば、現在のサウジアラビアにおける、コロナ拡大の様子は、死者が6800人、感染者の数は360335人、うち回復者が192人ということのようだ。何せサウジアラビアはメッカを持つ国であり、一年に一度は200万人を超える、ハッジ巡礼者が集まるお国柄だ。

 だが失礼だがこの数値は、一概には信用出来無い。サウジアラビアでは男性同士の頬を付けて交わす、キスが慣例であり、女性も然りだ。それに必ずしも清潔とは言え無い、民度のレベルということもある。ゴミは捨て放題だし、社会的常識が、通用しない世界なのだ。

 日本ですら毎日公表されている、コロナに関する感染情報が、どれだけ正確なのか、信用しずらい部分がある。もちろん、それは世界中の国がそうなのだから、文句の言いようが無かろう。アメリカは膨大な患者数と、死者の数を明らかにはしているが。

 そのような情況下では、コロナが終息しないと、ハッジは開催不可能になることが、懸念される。実際に今年は数ヶ月に渡り、メッカへのオムラ(小巡礼)や礼拝が、禁止されたり制限されていた。そうしなければメッカ発のコロナが、イスラム世界中に拡大する懸念があったし、第一にサウジアラビアが、大被害に見舞われたことであろう。

 サウジアラビア政府はこれ以外にも、国内の移動制限や、祭事のキャンセルなどを行なっているし、コロナ対策のための大型予算も組んでいる。近くコロナワクチンの無料接種開始、という情報もある。問題は刑務所の状態であろう。刑務所内で感染するということは、各国で起こっているのだから。

 だが、現段階では最も有効だとされている、ファイザーのワクチンによる問題が、指摘され始めている。しかも、ファイザーのワクチンの場合、零下70度で管理されない、と薬効は無くなるのだ。

 零下70度を維持できる冷蔵庫が、サウジアラビアには何台あるのか、壊れた場合修理がすぐに出来るのかなど、不安な要素は少なくない。そしてこうしたなかでは、一番大事なことは、出来るだけ正確な数字を早めに公表し、外国に対策への協力を、求めることであろう。その柔軟性が、サウジアラビア政府にはあるだろうか。