来年はサウジアラビアにとって、とんでもない年になりそうだ。そうしたことは、現状分析からも、他のニュースソースからも、入ってきている。まず、最初の現状分析から、書いてみよう。
サウジアラビアのムハンマド・ビン・スルタン皇太子は、イスラエルとの関係を正常化することによって、サウジアラビアの体制が安定できる、と考えているようだ。それはムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、トランプ大統領の義理息子クシュネルと、親しいことからの判断であろう。
クシュネルはユダヤ人であり、イスラエルを第一の支援国と考えている。多分、トランプ大統領がエルサレムを、イスラエルの首都と判断し、アメリカ大使館のエルサレムへの移転を決めたのには、クシュネルのアドバイスがあったためであろう。
ご存知の通り、アラブ首長国連邦に続いてバハレーンが、イスラエルとの関係正常化を決めたが、バハレーンはサウジアラビアの、へその緒のような国であり、この正常化には、サウジアラビアの意向が、働いていたということだ。
次いで、モロッコやスーダンもイスラエルと正常化したが、モロッコは西サハラの領有権を認められ、スーダンはテロ支援国リストから、外してもらった。それぞれに大きな前進であった、ということだ。
この後は、オマーンやクウエイト、カタールが続くものと見られているが、それは事実であろう。そうなると、サウジアラビアが遅れをとることになる。それでムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、早急にイスラエルとの関係正常化を、計りたいのだが、サルマン国王はイスラムの盟主としての立場があり、決断出来ないでいる。
その結果は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が国王を廃して、自分が国王になるという、クーデターのようなことが進むだろう。もちろん、その裏では反ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の動きが、激化することになろう。実はこうしたことの裏では、サウジアラビア王国が誕生する際の、反対勢力の動きが出てきている、という情報がある。サウド王家は元はと言えば、イラクにいたユダヤ人と言われてもいる。
彼らはサウジアラビアに入り、力で王権を獲得し、その反対側では多くの著名な家族が、犠牲になっているのだ。処刑され、焼き殺されたという裏情報は、幾らでもある。その恨みを晴らしたいと、サウジアラビアの旧家の人たちは、時期を待っていたようだ。その中心になるのは、イニシャルRのファミリーだ。
その旧家の人たちのサウド王家に対する、反乱が始まりそうなのだ。サウジアラビア国内が混乱と対立の度を増し、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子による圧制、コロナの被害の拡大、経済低迷などが、多くの国民の不満を募らせており、王制打倒の時機到来、と考えたのかもしれない。動きは来年に入って始まろう。