『イラン・ハメネイ辞任説と後継問題』

2020年12月 7日

 イランの最高指導者ハメネイ師は、80歳に達したようだ。高齢に加え、最近では前立腺癌で体調が芳しく無い、というニュースが流れている。こうなると俄然、彼の後継者に誰がなるのか、その時期は何時か、ということになるのだが。

 こうしたニュースの前に、ハメネイ師が最近、実権の大部分を彼の子息に、委譲したというニュースが流れている。それが事実であるとすれば、その子息が後継者になるのかということだが、そう簡単でもないようだ。88人からなる宗教権威者の会議で認められなければ、ハメネイ師の後継者にはなれないらしい。

 しかし、革命防衛隊はハメネイ師、絶対支持であることから、子息も革命防衛隊の支持で後継者になるだろう、という予測も流れている。しかし、それは憲法違反であり、かつ乱暴な手法であり、イラン国民からは強烈な反対運動が、起る可能性があろう。

 ハメネイ師の実子モジュタバに加え、もう一人の後継候補がいる。彼の名はライーシー、彼はいま司法長官であり、それなりの権限を持っている。どうやら彼はハメネイ師の、お気に入りだという評判だ。

 イラン政治の専門家ジムトは、ライーシー説を押している。ライーシーもその気なのであろう。最近ではマスコミに出来るだけ登場して、イラン国民に彼の存在を印象付けているようだ、ということなのだ。

 このライーシーなる人物は司法長官だが、出生地はマシュハド、196012月の生まれだということだ。彼は司法分野の職を登り詰めてきた人物であり、強硬派だと評価されている。その事がハメネイ師の受けを、よくしたのであろう。

 最近では女性の地位向上に、努力している旨を宣伝しており、明らかに選挙を狙った行動といえよう。彼と革命防衛隊との関係は悪くなく、革命防衛隊の支持も得られそうだということだ。

 それ以外にいま噂されているポスト・ハメネイには、ラリジャニ師の名前が上がっているが、いまのところライーシーが有利なようだ。