2017年6月以来、カタールはアラブ湾岸諸国から、ボイコットされたままになり、今日に至っている。その理由はアラブ湾岸諸国とは異なり、カタールが独自でイランとの関係を、維持していたからであろう。
何のことは無い、このカタールボイコット問題は、サウジアラビアの面子のために、起こったものだった。スンニー派を代表するサウジアラビアが、シーア派の雄であるイランと対立しているなかで、カタールが独自の外交を展開したことが、癪に障って始まったものだったのだ。
ここに来て、この問題が動き出したのには、幾つかの理由があろう。アラブ首長国連邦やバハレーンが、イスラエルとの関係を正常化するなかで、カタールを敵視するのは不味い、という判断が双方に働いたのであろう。
今回の仲介役はクウエイトだったが、その裏にはトランプ大統領の義理の息子、クシュネルがいた、述べるまでも無く、彼はユダヤ人であり、イスラエルとアラブ湾岸諸国との関係正常化に、努力していた。
この動きを歓迎したのはイランだった、当然であろう。イランにしてみれば、同国との関係のために、カタールがアラブ湾岸諸国との関係を、冷たいままにしているということには、大分神経を使っていたのであろう。
カタールはこれまで一国の外交は、その国の権利であり、方針を変えるつもりはない、と強気の立場を維持していたのだが,今回のクウエイトの仲介で、態度を変えたようだ。その結果、カタールとアラブ湾岸諸国は貿易、外交関係を改善することに、なったわけだ。
クウエイトの外相シェイク・アハマド・ナスル・サバーハは・アメリカの努力に感謝すると述べ、特にクシュネルの努力を賞賛している。この問題については・国際法廷もカタールの権利を支持し、カタールに対しブロックすることに反対していた。国際司法裁判所はクウエイトの仲介を賞賛し、問題の解決まであと一歩だと語っている。
サウジアラビアのファイサル・サウード外相は、問題解決まであと少しだと語り、トラブルが解決されることを望んでいる旨を、明かしている。彼はこの問題が最終段階まで、進展することを望んでいる、とも語っている。
さて、この問題に加わっているエジプトやバハレーン、アラブ首長国連邦はどう動くのであろうか。現段階ではこれらの国々は、反応を示していないが、早晩進展することであろう。そもそもの問題の発端は、サウジアラビアだったのだから。