カタールのシェイク・タミーム・アルサーニ首長が、トルコを訪問し、トルコのエルドアン大統領を賞賛した。これはカタールのトルコでの経済活動が、全面的に自由になったことを、賞賛したものだ。
カタールはこの賞賛の言葉の前に、エルドアン大統領にボーイング747機を、贈っている。シェイク・タミーム・アルサーニ首長によれば・トルコ賞賛の言葉は、トルコが経済協力と防衛産業面での協力関係を、賞賛したものであり、両国は外国の軍事紛争に対して、同じ側で活動していることを、誉めたものだ。
トルコは2010年以来、カタールとの間で投資協力に合意したが、これはカタールの投資庁との、関係樹立が発端であった。それは、エルドアン大統領がオスマン帝国の夢を、追い始めた時期と一致している。
現段階でカタールのトルコヘの投資額は、250億ドルに達しており、銀行活動ではトルコの銀行が、幾つもカタール側によって、買収されている。そのなかには、カタールのイスラム銀行も含まれており、同銀行はトルコのエルゴ・ボルトフォイ社を買収している。
また、イスタンブール証券取引所は、10パーセントをカタールに売却している。そうしたことがトルコリラの暴落を、防いでいることも事実だ。このドサクサのなかで、ベラト・バイラク蔵相が辞任したことは、興味深い。
カタールはこればかりか、トルコの不動産の買収にも動いており、ボスポラス海峡沿いの超高級マンションや邸宅は、既に、カタールの王室メンバーや財閥が、所有するに至っている。
例えば、アル・サーニ首長の母であるシェイカ・モザ・ビント・ナセルは、黒海とマルマラ海と地中海を結ぶ、イスタンブールのヨーロッパ側を二分する、人工海峡(カナル)を建設する、野心的な計A画である、カナル・イスタンブール・プロジェクトの、最大の投資家の一人となっている。また、アル・サーニ首長の叔父であるアル・ハージリは、ボスポラス海峡沿いに1億ユーロの、超高級邸宅を購入している。
ムスリム同胞団に対する協力でも、トルコとカタールは同じ側に立っており、シリアでは反アサドで動いている。実はカタールはトルコと結託して、2013年のムスリム同胞団による、ムバーラク政権打倒の、背後にもいたのだ。
リビアでのGNA支援はトルコが行動し、それをカタールが資金面で支えている、という構図になっている。ここまで来ると、まさに『一蓮托生』という感じがしないでもない。カタールがそこまでトルコのエルドアン大統領に、肩入れするのは何故であろうか。カタールも大オスマン帝国設立に一役買いたいということか。