『エルドアン宮殿維持費5000万リラは高いか』

2020年12月 1日

 エルドアン大統領がトルコ国内、何箇所にも所有する、宮殿の維持費が、膨大な額に達している、とトウキッシュ・ミニッツが伝えた。トルコの首都アンカラにある宮殿については、これまで何度も報じられており、トイレの便座が純金製だという話もあるし、部屋数が多いことも、話題になってきている。

 その事が問題になっているのは、これらの宮殿の維持管理費が、昨年に比べ増加していることだ。昨年は維持費が4200万リラであったものが、今年は1200万リラ増え、ト-タルで5500万リラに達したというのだ。つまり、日本円に換算すると、およそ5,5億万円ということであろう。

 宮殿はエーゲ海に近いオルクル宮殿、そしてバン湖に近い邸宅(宮殿)、首都アンカラのベヒーモスの宮殿は、客室が1500室もある、大型のものだ。全国には11の宮殿があると言うのだから、贅沢の限りということになり、非難されてもしかたがあるまい。

 エーゲ海に面したマルマリス・リゾートには、65ヘクタールの土地が収容されており、300室と高さ4メートルの壁に、囲まれているということだ。これは夏の宮殿と呼ばれ、一般に知られている。

アンカラの宮殿の建設に当たっては、その規模が必要なのかということを巡り、議会では5年間に渡って、議論されたということだ。バン湖のアーラト宮殿は、大統領複合施設と呼ばれ、憲法裁判所の指し止め命令が出たが、工事は相変わらず続けられているのだ。

 バン湖の宮廷の周辺は、自然保護による規制がかかっており、裁判所もその旨発表したが、何の効果もないということだ。それと同じようなことは、アンカラのベヒーモス宮殿建設時にも問題となり、宮殿周辺の樹木が切り倒されたこと、自然保護の抗議が沢山出ていた。

 しかも、アンカラ宮殿の建設費用は、当初の予算の二倍に達し、17億リヤル(約170億円)になったというのだから、凄いとしか言いようがあるまい。日本には『立って半畳寝て一畳』という言葉があるが、トルコはそんな価値基準の世界ではない、ということだ。 

 やはり大オスマン帝国の大統領に、相応しい宮廷ということか、国民はたまったものではなるまいに。