トルコ政府はリビアの西側政府GNAとの間で、トルコ軍および傭兵の派兵を、延長する合意を交わした模様だ、この結果、トルコ兵は今後もリビアに、派兵され続けることになり、貼り付けられるということだ。
このトルコ軍の駐留延長合意は、11月にトルコとGNAとの間で合意され、今後18ヶ月の延長ということだから、1年半の延長ということになる。この結果、派兵数は不明だが、トルコ軍と数千人の傭兵たちが、リビアに留まることになる。
傭兵は主にシリアのFSA(自由シリア軍)であり、彼らはスンニー派のミリシアで、アラウイー教徒のアサド体制に、反発している者たちだ。このFSAはトルコによって結成され、以後、主にクルドとの戦闘や、シリア政府への圧力組織として、存在していたのだ。
トルコは西側リビア政府GNAとの間で、合意を重ねてきたが、その目的は東地中海海底の、ガス資源を確保するためだ。だが、この動きはギリシャやキプロスから激しい反発を受けており、それをヨーロッパ諸国が支援しているために、情況は一触即発、という感がある。
このためギリシャとの関係悪化は、トルコとEUとの関係悪化に、つながているために、トルコ政府はアカル国防相をして『この問題はギリシャとの問題であり、EUは関係ない』と言わしめている。
加えて、トルコはいま必死でEUとの関係改善を、模索しているようだ。もし、このままトルコがEUによって、関係悪化に追い込まれていけば、トルコの経済は破綻ということになろう。そうでなくとも、いまトルコは世界で一ケタ台の、経済破綻予想国家(確か危険度では世界第6位)になっているのだ。
そのようななかで、数少ない朗報はロシアとトルコの関係が、改善しているというものだが、ロシアのプーチン大統領が、何を考えているのかは、推測が難しかろう。ロシアとトルコの関係改善の兆候は、両国がクルド民主軍(SDF)対応で、歩み寄ったということのようだ。
このSDFはアメリカがシリア制圧で活用している、クルドのミリシア組織であり、シリアのアサド体制を支援している、ロシアとすれば当然の動きであろう。そのアサド体制支援も、あくまでもラタキアの軍事基地や、タルトースの軍港を確保し続けることが、ロシアにとっては第一の目的なのだ。
従って、トルコのリビアでの軍事行動について、今後ロシアが支援することは、考えられまい。既にロシアはリビアの東側政府LNAに、ミリシア部隊を派兵しているのだから。シリアでは歩み寄りというが、リビア紛争でもアゼルバイジャン紛争でも、ロシアはトルコと立場を異にしてるのだ。
どうもこうして考えてみると、今後のトルコに明るい展望は、無いのではではないのか。