今日は珍しく中東のニュースが、山盛りの日だ。なかでもイスラエルのネタニヤフ首相と、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、そして仲人役のポンペオ国務長官が、サウジアラビアの砂漠の都市ネオムで秘密会談、というのは圧巻であろう。
当初、サウジアラビア政府はこのニュースを否定したが、後でサウジアラビアの匿名の高官が認めた、というニュースが伝わっている。このレベルの話はイスラエルで、嘘報道はし難いだろうから、事実であろう。
このニュースで一番最初にあった反応は、パレスチナ自治政府であろう。こうなるとサウジアラビア政府が、パレスチナのために動いてくれる、ということがなくなる可能性が、高いからだ。
続いて、このニュースで喜んだのは、イランであろう。イラン政府はいかにサウジアラビア政府がアラブの大義に対し、冷酷で裏切りかを示すものだ、と大非難が可能になるからだ。まさにその通りであり、時代は変わったと思える、
そもそも、バハレーンがイスラエルとの関係を、正常化した段階で、サウジアラビアも動くだろうとは思っていた。バハレーンはサウアラビアの領土の、一部のようになっているのだから、サウジアラビアの了解無しには、イスラエルとの関係正常化動は、出来なかったのだからだ。
次いで、ドイツの海軍がトルコの貨物船を、取り調べたというニュースだ。これはリビアに向かうトルコの武器を押さえる、ということであり、国連の合意に沿ったものだ。もちろんこれに対し、トルコ政府はリビアのミスラタ港に、塗料と人道支援物資を運ぶものだった、と反論している。
実際にはどうも武器は、見つからなかったようだが、これは嘘であろう。武器はあったのだが、それを公式には認めなかった、ということではないか。そうすることによって、ドイツはEUに対する面子を守り、トルコの立場に譲歩した、ということであろう。
それ以外には、アサウジアラビアのジェッダにある、ARAMCOの石油施設はイエメンのホウシ派の、攻撃を受け損傷した、というニュースがあるが、これも放置出来無いレベルのニュースであろう。
加えて、トルコではエルドアン大統領が推進する、新ボスポラス海峡(運河)の工事に反対している、イスタンブールのイマモール市長に対する取調べが、始まったというニュースがあった。評論家たちはこの運河が出来ることは、環境破壊だと言うし、莫大な資金が外国からの借金で、進められることにも問題があろう。
新ボスポラス運河が完成すれば、イスタンブールの活況に陰りがさすことは、必定であろうから、イマモール市長が反対する気持ちは、分からないでもない。