IS(ISIL)がイラクで再活性化してきている。11月21日にはバグダッドの北部でIS(ISIL)による攻撃が起り、6人の治安部隊兵と、3人の市民が犠牲になっている。このIS(ISIL)のによる攻撃は、路肩爆弾の使用と、彼らによる銃撃だった。
それ以外にも、ハシドシャアビ戦闘員が4人、市民が3人犠牲になってもいる。ハシドシャアビ戦闘員はスンニー派とシーア派からなる、混成部隊であり、部族の出身者ということだ。
これ以外にも、11月8日にはIS(ISIL)による、攻撃がバグダッド空港に近い、ラドワーニーヤ地区で起こっているが、この攻撃では11人が、犠牲になっている。
IS(ISIL)のスリーパーが、イラクの砂漠地帯には多数おり、彼らが攻撃を仕掛けているのだ。彼らはいわゆるヒット・アンド・ラン攻撃を、繰り返しており、イラク治安軍や公共建物を、攻撃対象としているのだ。
こうしたIS(ISIL)の攻撃が激化してきているのは、アメリカ軍のイラクからの撤退が、語られているからであろう。アメリカ軍は近く、イラクから500人の兵員を、撤退させる運びだが、最終的には2500人に、駐留兵の数を減らすつもりだ。
他の支援軍が、ヨーロッパ諸国などからイラクに入っているが、彼らも撤退の方向にある。しかし、IS(ISIL)側は現在なお、シリアとイラクには合計で、1万人の戦闘員がいる模様であり、攻撃が激化してくることは、充分に予測出来る。
これがまさにアメリカのやり方ではないのか、IS(ISIL)の攻撃を活性化させ、だからアメリカ軍の駐留が必要だ、と言い張り、シリアやイラクに居残り続ける、作戦なのであろう。これに反論することは難しかろうし、イラク政府そのものも、アメリカ軍が駐留し続けることは、要人の安全を図る上でも好都合であろう。