『ヤズデイ教徒に新リーダー』

2020年11月19日

 イラクの北部にあるラリシュは、ヤズデイ教徒の聖地になっている。そこの聖職者のトップはババ・シェイクと呼ばれて、尊敬を集めている。そのババ・シェイクはアルヤス部族から選ばれることになっており、それ以外からはなれない。

 そのババ・シェイクはクルト・ハジ・イスマイルという名だったが、彼は87歳で他界し、今週始めに後継者として、ハゼム・タフシン・ベクが就任した。彼はイスマイル氏の子息であり、正統な家系ということになるようだ。

 もう一人いるリーダーはタラール・ムラドで、ヤズデイの24部族の代表だ。彼はヤズデイ教徒の日々の生活を指導している。現在ヤズデイ教徒は世界に、150万人いるといわれており、そのうちの55万人がイラクに住んでいる。

 IS(ISIL)のイラク侵攻時に、数千人のヤズデイ教徒が殺され、10万人がイラクから他の国に逃れていた。いまでは帰国しつつあるが、この間にヤズデイ教徒ではない者との結婚が行なわれており、これが問題となろう。

 散々にIS(ISL)によって酷い目にあったばかりの、ヤズデイ教徒社会にいまは内部対立も、生まれているのであろうか。

人間の欲というものは恐ろしいものだと思う。