トルコのエルドアン大統領は自分の考えで、あらゆることを決めている。その一つがいま世界的な話題となっている、アメリカの大統領選挙だ。エルドアン大統領は現役のトランプ大統領に、かけていたようだ。
他方、野党側は押し並べて、バイデン候補支持を鮮明にしていた。今回のアメリカ大統領選挙の行く辺は、いまのところバイデン勝利、ということのようだが、まだ最終的に決定したわけではない。
それはバイデン候補側が、いろいろな不正を仕掛けていたということで、トランプ大統領は最高裁まで、この問題を持ち込むことにしているからだ。例えば投票用紙は期日の後のものまで計算したとか、偽投票用紙は外国で刷られたものであり、これには正式な投票用紙には、放射性の何かが含まれていて、すぐにバレるとか言われている。
従って、今後アメリカでは選挙結果を巡り、大分トラブルが続き、その先には、アメリカが分裂し、南北戦争のような情況が生まれるのではないか、とまで言われている。そうなればエルドアン大統領の賭けも、当たることになるかもしれない。
もし、バイデンの勝利がそのまま進めば、彼がエルドアン大統領の政敵と考えている、ギュレン氏の支持者たちは、民主党に近いことから、大分不利になるのではないか。それはエルドアン大統領が支援している、カラバフ戦争の今後にも、影響が出てこよう。
ヨーロッパ諸国はアルメニア支持であろう。それはアルメニアがアルメニア正教の国だからだ。加えて、ロシアもロシア正教の国であり、アルメニアの支持に回ろうし、もともとアルメニアもアゼルバイジャンも、ロシアのテリトリーという意識が強かろう。
アメリカ選挙の結果は、述べるまでもなく、トルコの対外戦略全てに、影響を及ぼしてこよう。リビア、シリア、イラク、ギリシャ、そしてカラバフ問題の推移だ。これはオセロ・ゲームのように、一瞬にしてトルコの立場を、弱体化させてしまうかもしれない。
運命論者では無いが、エルドアン大統領はいま明らかに、幸運の女神から見放され、ツキを落としているのかもしれない。