『リビアにトルコ軍は残留出来るのか』

2020年11月 6日

 リビアの南部都市ガッダーミスで、東西両政府の代表団が集まり、停戦について討議し、どうやら大筋で停戦が纏まったようだ。こうなると、いまリビアに入っている外国の軍隊をどうするのか、ということが当然、第一議題となって来よう。

 現在、ほぼ公にリビアに軍を派兵している国は、トルコでありロシアだ。だが、ロシアはあくまでも、民間の軍事会社が傭兵を派兵しているのであり、ロシア軍も政府も関係無いと言っている。

 もちろん、これは嘘であり、ロシアがしっかりこの傭兵部隊ワグナーの、後ろにいることは、世界中の国々が知っている。だが、ワグナーが民間の会社である以上、外国はロシア軍だとは、断定出来無いのだ。

 こうしたなかで、トルコの対応はと言えば『リビア側が求める間は撤退するつもりはない』と語っている。その通りであろう。だが、もしリビアのGNA政府が、撤退を求めた場合は、どうするのであろうか。

 現在、トルコ政府はリビアに、あくまでも顧問団として留まり、リビアの停戦が実現し、完全に独立した国家になって行くことを支え、安定した平和な国家になるよう、支援していくと語っている。

 トルコ政府はトルコとリビアは、500年にも及ぶ共通の歴史を記してきており、文化的にも共通していると語った。

 GNAとLNAはシルテで11月末には、会議を開くことに合意し、リビア軍が所定の位置に戻ることや、委員会を設立することを、合意している。

 また外国軍や傭兵は、3ヶ月以内にリビアから、撤退させることについても、合意している。そして、これはトルコが頭を悩ますところだろうが、外国の指導員についても、出国してもらう方針だということだ。

 もしGNAとLNAが合意したように、実行されるとトルコは何も手に入れず、軍を撤収させなければならない、ということだ。このことで、今後、トルコがどう屁理屈をつけ、居座るかが見所であろう。

 なにやらトルコには『骨折り損のくたびれ儲け』という感じがするが、それは、しかもシリアでもイラクでも、いまやっているアゼルバイジャン支援でも、同じことになるのではではないのか。