リビアの内戦は既に5~6年、続いているのではないだろうか。リビアの勢力が東西に二分され、戦闘を続けてきていたのだ。だが、ここに来てやっと、停戦が実現する雰囲気が出始めている、
これまで停戦交渉は、チュニジア、モロッコ、ジュネーブ、エジプトなどで繰り返されてきたが、これは進むと思われるものは無かった。それは、外国勢力特にトルコが、絡んでいたためであろう。トルコは言うまでも無く、自国の利益を最優先して、関与していたのだ。
しかし、ここに来て、国際的なトルコに対する批判が、高まっていることと、トルコの経済が大分苦しくなってきていることなどから、トルコのGNA(西リビア政府)への締め付けが、緩み始めたようだ。それ以外の国々の関与も原因であろう。
その結果が、最近の和平機運の高まりであろうか。先週には合同軍事会議が開催され、東西のリビア政府代表が、参加している。この会議ではGNAとトルコが、2019年に交わした、軍事合意については、触れられなかった、ということだ。
しかし、GNAの代表である、サラーハッデーン・ナムルーシュは,今後もトルコとの間で、軍事トレーニングを継続していくことを、明らかにしている。治安と軍事問題は、今後も第一議題だということだ。
いずれにしろ、GNAとLNA(東リビア政府)は、恒久的停戦を合意し、各軍はそれぞれの基地に戻り、外国軍は来年1月23にまでに、撤収させることに合意した。また、外国との間に交わした軍事協力協定は、新政府が設立されるまでは、停止されることになった。
そして、東西政府は合同の軍事委員会を結成し、警察機構も同様に統一したものに、する見通しだ。
また、陸上・航空ルートも開放することを、合意している。そして、双方は相手に対する、ヘイト・スピーチを止めること、石油地帯を守る合同軍を結成すること、捕虜を交換することなども合意した。
産油国であるリビアにとっては、石油の再生産が最重要課題であろう。そのため、石油地帯の警備部隊の結成が合意され、完全に生産体制を整えることが、合意されている。つまりカダフィ体制時代の石油生産量に、近づける方針のようだ。
これまでには、エジプトのハルゲダや、モロッコの首都ラバトから近い、ボウズニカなどでも、リビアの停戦交渉が行なわれてきている。昨年111月にはチュニジアでも会議が開催され。合同政府の今後の、方向が模索された。そのなかにはリビア全体の、統一選挙の実施も含まれる。それはリビアを一日も早く、民主的で独立性のある国に、戻すためだ。