サウジアラビアがトルコを、ボイコットすることを、決めたようだ。これはサウジアラビア商工会議所の、会頭が語ったものだ。彼によれば、サウジアラビアが全ての、トルコ製品をボイコットする方針だ、ということだ。
サウジアラビアの商工会議所会頭である、アジュラン・アブドルアジーズ・アジュランの語るところによれば、サウジアアビアは指導者も国民も、トルコ・ボイコットを進める方針だということだ。
このボイコットによって、トルコ製品の輸入、トルコヘの投資、トルコヘの観光の全てが止まるということだ。サウジアラビアとトルコとの関係悪化は、2017年以来のもので、その主因はエルドアン大統領の、暴言によるのであろう。
エルドアン大統領の語ることは、過去にも現在も将来も存在しない、我々はサウジアラビア国旗を掲げて、エルドアンの非礼な言動に対抗する。そして、それはアッラーの支持を得るであろうというのだ。
今回のサウジアラビアのトルコ・ボイコット決定は、多分にカシオギ殺害事件と、関連しているのではないか。間接的ではあるが、トルコとエルドアン大統領は、殺害の背後には、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が存在することを、ほのめかしてきている。
トルコ軍はカタールに駐留することにより、湾岸諸国を不安がらせている、とも語っている。このこともサウジアラビアとトルコの、関係悪化の一因であろう。
アルオサイム・マーケット社はサウジアラビアの最大手企業だが、その社のオーナーも、今回のトルコ・ボイコット・キャンペーンに参加することを決めた。これにより、多くのアラブも追従することになろう。
ボイコットは全てのトルコ製品が対象であり、そのなかにはスエーデンのH&M社や、イギリスのマーク・アンド・スペンサー社も含まれ、これら企業の製品のうち、トルコで生産されているものは、ボイコットの対象になるのだ。
アラブ諸国が行なっている、アラブ・ボイコットにこのことが、受け入れられれば、トルコの受けるダメージは、相当なものとなろう。
トルコは2018年以来、トルコ・リラが下落しており、30パーセントも価値を下げている。マエルスク・コンテナ社も既に、トルコ・ボイコットを受け止め、対応を急いでいる。今年最初の8ヶ月、トルコのサウジアラビア向け輸出総額は、2100万ドルであったが、2018年にはそれが、30億ドルにも達していたのだ。
今回のサウジアラビアの決定による、トルコ製品ボイコットは、アラブ首長国連邦や、イエメン、エジプト、マルデブにも広がるものと思われる。バハレーンはカタールを締め出すべきだと主張し、カタールの首都ドーハに対する、制裁を主張している。
カタールはトルコとともに、ムスリム同胞団と良好な関係にあるし、それ以外のイスラム過激派組織とも、関係がいいのだ。そのことは当然、カタールだけではなく、トルコも非難されることになるのだ。
しかし、こうした情況にも拘らず、トルコはカタールに向け、軍を増派している。この先、サウジアラビアが提唱し始めた、トルコに対するボイコットが、効果を出してくれば、トルコの経済は大きく、後退することになり、エルドアン体制も不安定となろう。
述べるまでも無く、今回のサウジアラビアの決定は、アメリカとの相談あってのことであろう。トルコの進めるリビア派兵、シリア兵、イラク派兵、そしていま激化している、アゼルバイジャンとアルメニアとの戦闘への派兵は、アメリカもヨーロッパ諸国も、ロシアも不快感を強めていることであろう。