『SDFがIS戦闘員数百名を釈放』

2020年10月17日

『SDFがIS戦闘員数百名を釈放』

 シリアでアメリカ軍と一番協力して戦っている、戦闘組織はクルドのミリシアによって構成されている、SDF(シリア民主軍)だ。そして、アメリカ軍はSDFと協力して、シリアのIS(ISIL)を打倒する、と言ってきていた。

 しかし、ここに来てそのSDFは、数百人のIS(ISIL)戦闘員を釈放した。今回SDFが釈放したIS(ISIL)の戦闘員の数は、631人に上るというのだから、大変な数であり、冗談では済まされまい。

 もちろん、これだけの人数のIS(ISIL)を、SDFが釈放した裏には、アメリカ軍との合意があってのことであろう。つまり、アメリカ軍はここに来て、多数のIS(ISIL)戦闘員を、必要としているということだ。

 そのIS(ISIL)戦闘員は誰と戦うのか。IS(ISIL)では無く、シリアかそれともトルコか、気になるところだ。アメリカはトルコの蛮行を嫌っているはずであり、トルコにIS(IISIL)を使って攻撃を加える、ということかもしれない、

 ナゴルノカラバフ問題への、トルコの介入は異常であり、トルコが昨年から計画し、大量の武器を、アゼルバイジャンに送っていた。こんなことを、アメリカの了解無しにやられては、ソチコチで大火事が起こる、という危険性があろう。

 SDFが釈放したIS(ISIL)の戦闘員は、シリアのカシミリ市に、収容されていたメンバーだ。そこに収容されていたIS(ISIL)戦闘員は、ほとんどがシリア人と、イラク人だということだ。

 SDFは釈放したのは、全員がシリア出身のIS(ISIL)だ、と説明している。釈放理由は、刑期を半分過ぎている者たちと、殺害履歴が無い者たちだ、ということのようだ。

 アメリカ軍はSDFの戦闘員を、長期間に渡って訓練してきている。その結果SDFは、シリアでアメリカ軍にとって、最良のパートナーとなっていたのだ。そして、その協力の口実は、IS(ISIL)を掃討する、ということだったのだ。

 しかし、実際にSDFが果たしていた役割は、アメリカ軍が占領している、東ユーフラテス川沿いの、石油地帯の支配と、維持ではなかったのか。そこで上がる収益の一部は、SDFも受け取っていたのだ。

 近い将来、アメリカの石油会社が、アメリカ軍に代わって、この地域の石油を掘り出し、国外に輸出する方針のようであり、その事はポンペオ国務長官も認めている。それはトランプ大統領の方針であり、シリアに限らず、他のアラブ諸国にも、当てはめられていこう。つまり、アメリカは大泥棒国家に、変わったということだ。そしてSDFはその子分に、なったのだ。