アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、断固としてナゴルノカラバフを、奪還すると言い出している。それはアゼルバイジャンが大量の武器を、持つに至ったことと、トルコ軍の支援がある、ということを根拠としていよう。
トルコは今回の、アゼルバイジャンとアルメニアノ戦争が始まる一年前、2019年に大量の武器を、アゼルバイジャンに送っている。トルコは2020年の最初の9ヶ月の間に、アゼルバイジャンに対して1,23億ドルの武器を輸出している。そして2019年には2700万ドル売っているというのだ。
トルコが輸出する武器は多岐に渡り、航空武器や地上武器つまりドローンや戦車などだ。トルコはこれらの武器を、アゼルバイジャンに売り込んだ後、ナゴルノカラバフ問題は最終解決に、至らなければならない、と主張している。
つまり、ナゴルノカラバフ紛争はアゼルバイジャンが勝利し、全土をアゼルバイジャンが奪還すべきだ、ということだ。そのために、トルコは航空兵器を使い、アゼルバイジャン側を支援しているのだ。
しかし、トルコは必ずしも強気だけでは、ないのではないか。確かに、トルコはアゼルバイジャン側を大勝利に導き、ガス石油の輸送ルートを短縮したい、と考えているだろう。しかし、シリアやリビアそして北イラクでの、軍事作戦によりトルコの経済は、ぼろぼろになっているのだ。
そこで、エルドアン大統領はプーチン大統領と電話会談し、何とか早急にナゴルノカラバフ紛争を終わらせたい、と持ちかけたのだ。それでもアゼルバイジャンの一方的勝利だけは、譲りたくなさそうだ。
こうした流れの中で、アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、何を勘違いしたのか、アルメニアだけではなく、イランに対しても強気の姿勢を、示し始めているようだ。それはイランの西部地域一帯が、アゼルバイジャン人の居住地域になっていることと、イランの人口の4分の1が、アゼルバイジャン人たちということを、根拠にしているのではないだろうか。
こうしたこともあり、アゼルバイジャンとアルメニアとの紛争は、世界大戦に繋がる危険性がある、といわれているのであろう。それをそうさせない大きなファクターは、トルコの姿勢ではないか。そして、それはロシアとの関係、ロシアの姿勢によるのではないか、と思われる。
アゼルバイジャンとアルメニアとの紛争で、トルコとロシアの真価が、正に問われているということであろう。