トルコをよく見ているが、専門外ではあるが、どうしても同じように、韓国に目が向かう傾向がある。そうしたなかで気が付いたのは、両国ともに国を滅ぼす方向に、大統領がひた走っているのではないか、ということだ。
まず共通性として挙げるは、トルコも韓国も通貨が、下げ続けているという点だ。これは経済政策が、間違っているからであろう。賢い統治者であれば、問題点を冷静に把握し、何らかの対応策を打っているはずであり、大幅な修正は出来なくても、自国通貨の下落にブレーキを、かけることは出来よう。
その通貨の下落で共通していることは、大統領が真逆の政策を、打っているという点だ。簡単に言えば、トルコは対外強硬政策で、各国との間で戦争を展開している。これでは国際的にも非難が強まり、協力的な国は減っていこう。加えて、通貨対策は朝令暮改と来ている。
韓国はと言えば、日本との経済協力を進めるのではなく、日本との関係を悪化するような発言を、大統領自らが繰り返し、どんどん悪化の道を、たどっているということだ。韓国はあらゆる面で、日本との良好な関係があってこそ、繁栄する国であり、単独では極めて困難であろう。
第二には、トルコも韓国も自国にとって真の敵は誰か、ということを認識していないのではないか、ということだ。トルコにとっての敵国は自分が作り上げた、シリアでありリビアの東側政府LNAだ。しかし、現在のような関係になる前のシリアは、トルコにとって重要な貿易相手国であり、国民同士の往来も多かったのだ。
リビアについていえば、トルコは西側政府GNAとの良好な関係を築けば、リビアの石油資源を、手に入れることが出来る、とでも思ったのであろうか。国際的に認められるはずの無い、地中海海底資源の確保のために、リビアとの間で領海合意を交わしてもいる。
そもそもリビアはトルコにとって、距離が近いことと、歴史的な関係から、望ましい貿易相手国であり、そうした状態を保って来ていたのだ。それを博打というか冒険主義で、軍事侵攻しGNAの肩を持ち、全てをぶち壊しにしたのだ。
そうしたトルコの間違った対外政策は、ギリシャばかりか、ヨーロッパ全てと、アメリカを敵に回す結果となっている。特にアメリカはここに来て、トルコとイスラエル関係が、悪化していることもあり、怒り心頭であろう。アメリカはトルコにあるNATO軍のインジルリク空軍基地も、捨てると言い出しているのだ。
韓国の場合も敵を、読み違えているようだ。最大の敵である北朝鮮と、統一すれば韓国は核を保有する、地域大国になれる、と考えたようだ。そして北朝鮮にあるレアメタルも、確保することが出来、経済は急速な発展を遂げることが、出来ると考えているようだ。
北朝鮮は今でも停戦しているだけであり、韓国にとっては何時戦争が、再度勃発しても不思議の無い相手なのだ。こんな間違った北朝鮮への対応は、盟友アメリカを激怒させており、アメリカ軍は近いうちに韓国から、撤兵するかもしれないのだ。
加えて韓国は中国との関係強化を望んでいるが、中国は韓国を属国として取り込み、アメリカ軍を朝鮮半島から追い出すことを、狙っているのだ。
最近、こうした勘違いのトルコと韓国に対し、アメリカ政府は明確に敵意を示した。それはポンペオ国務長官の中東訪問で、予定からトルコ訪問を、外したことであり、同氏の東アジア訪問では、韓国を訪問予定から、外したことだ。
トルコにとっても韓国にとっても、アメリカは最も頼りになる、盟友ではなかったのか。そして、貿易相手国としても、技術協力の面でも大事な相手では、なかったのか。声を大にして、エルドアン大統領とムンジェウン大統領に言いたい。冷静に物事を考え、自国を破滅への路線から、方向転換しろ、しかも大急ぎでだ。