イスタンブールの警察と情報部スタッフが、10月22日早朝、何軒かの住宅を急襲し、IS(ISIL)関係者を逮捕したようだ。逮捕者の数については、発表がなされていないので分からない。
多分、この急襲作戦は極秘に、準備されたものであろう。従って、どれだけの人数が作戦に参加したのか、また、何人を捕まえたのかも、明かしていないのであろう。どうやら、今回捕まったIS(ISIL)のメンバーは、シリアで作戦行動をしていた者の、仲間のようだ。
トルコは2013年以来、IS(ISIL)に対して、厳しい対応を採ってきたことになっているが、こうしたニュースを読んでいると、一体どうなっているのか、という基本的な疑問が、浮かんで来る。トルコはイスタンブールに限らず、今でもIS(ISIL)にとっては、極楽なのかもしれない。
シリアで戦闘を繰り返した後、IS(ISIL)の戦闘員たちはイスタンブールで、休養して再度シリアに向かっていた。また、IS(ISIL)の戦闘員の家族たちは、トルコ国内のアパートで、主人の帰りを待っていたのだ。そして、トルコからは多くの戦闘員が、イラクやシリアに入っていたのだ。
多分、IS(IIL)のメンバーはアパートを、借りているだけではなく、銀行の口座も持っているのであろう。それが可能であれば、他の難民と何の変わりもあるまい。半分自由な立場なのだから。
IS(ISIL)はトルコと、対立していていると見せかけるために、時折テロ作戦を行使している、ということではないのか。トルコ政府の発表によれば、トルコでは10回の特攻テロが起こり、7回の爆弾テロが発生し、武装テロも起こっているというのだが。
そしてこれらのIS(ISIL)のテロによる、死者の合計は315人、負傷者の数は数百人に上る、ということだ。それが多い数なのか少ない数なのかは、判断のしようが無い。また、この数字が本物か、ごまかしなのかも分からない。
だが、10年という数字で割ると、1年の死者数は30人程度ということであろう。交通事故死やコロナ死に比べれば、微々たるものではないのか。
当分の間、この手のトルコに於ける、IS(ISIL)の蛮行ニュースは続くのであろう。しかし、これからは本格的なIS(ISIL)の攻撃が、トルコで始まることが予想されるので、その犠牲者数はうなぎのぼりに、上昇するのではなかろうか。