『窮地で判断迷ったかアッバース議長』

2020年9月29日

 どうやらパレスチナ自治政府の、マハムード・アッバース議長は窮地に立ち、判断を間違えているようだ。いままさに窮地に立っている、トルコのエルドアン大統領と、手を組むと言い出しているのだ。

 また、そのトルコと手を組んでいるカタールとの関係も、促進する意向であり、加えて、ハマースと連帯を組む方向で、動いてもいる。しかし、エルドアン大統領はシリアでもリビアでも失敗し、秘かに派兵した軍人も傭兵も、引き上げつつあるようだ。

 それでも帰国させたことが目立ち、兵士の不満がトルコ国内で漏れるので、今度はトルコ兵とシリアの傭兵はアゼルバイジャンに傭兵として、再度送り出す方針でいるようだ。どうも全てが悪い方に動いている気がする。エルドアンの運気が落ちているのだろう。

 カタールも然りで、他のアラブ湾岸諸国との関係は、前進しないままであり、イランの影響を受け続けており、トルコにはたかられっぱなしだ。しかし、カタールとしては、いまトルコ・イランとの関係から、引くわけにも行くまい。

 産油国と聞くと、金満国家と言うイメージがあったのだが、いまはそうでもない。石油価格の値下がりと、コロナの影響により世界経済が低迷し、エネルギー価格は下がり、エネルギー産出国は赤字に転落しているのだ。サウジアラビアは日本に依頼して、大型ロ-ンを組む考えらしい。

 加えて、マハムード・アッバース議長はライバル関係にある、ガザのハマースと連携する気になっている。両者との間では早期の選挙を、考えているようだが、マハムード・アッバースの放漫経済政策と汚職、それに何の政治的成果も上げていないことから、選挙では負けるかもしれない。

 それでもこうした選択をするということは、マハムード・アッバース議長の人気が下がっているということであり、誰もまともな国は相手にしてくれない、ということではないのか。ハマースはムスリム同胞団の政治組織であり、サウジアラビアもヨルダンも、エジプトもハマースを敵視しているのだ。そこと組むということは、マハムード・アッバース議長も敵視されるか、ますます信用を失うということであろう。

 どうも、運気の下がった者同士の連帯関係が、ここに来て生まれている、ということではないのか。そう言えば、マハムード・アッバース議長のパレスチナ自治政府も、政敵のダハラーンが表舞台に出てきている。彼は唯一のマハムード・アッバース議長の対抗馬であろう。ダハラーンのスポンサーは、アラブ首長国連邦だ。