『中東短信』

2020年9月25日

;パレスチナ自治政府に対するアラブ諸国の援助85パーセント減る

 パンデミックの被害などを理由に、アラブ諸国、なかでもアラブ湾岸諸国からの、援助が激減しており、パレスチナ自治政府は青息吐息であろう。どうあがいても、アラブ湾岸諸国が直ぐに援助を、元通りにしてくれる、とは思えない。

 これはアラブ首長国連邦で始まり、バハレーンも参加したイスラエルとの、国交正常化の動きを、止めず今後も正常化する国を増やしていく、という方針で始められたものであろう。その事に大反対するパレスチナ自治政府を、黙らせる作戦であろうと思われ、この裏にはアメリカとイスラエルがいるのであろう。

:サウジアラビアはイエメン戦争で敗北か

 サウジアラビアはイエメンに手を出し始めて、既に5年以上の歳月が過ぎている。このイエメンとの戦争に、サウジアラビアが投下した資金は、莫大であろう。アメリカの言うままに、高度な兵器を輸入してきたが、その成果は上がっていない。

 他方、イエメンはイランが開発した、ドローンやミサイルが、有効に機能しており、サウジアラビアの石油施設や、首都リヤドまでもが、被害を受けている。その被害状況はあまり明かされていないが、相当なものではないのか。

 サウジアラビアはいま国内的に、政争の嵐が起っており、イエメン戦争の行く末によっては、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の主導に、揺らぎが生じるのではないだろうか。サウジアラビアの国内外では、反政府の動きが活発化しつつあるようだ。

:サウジアラビア反政府政党結成される

 サウジアラビアでは初の、反政府政党が結成された。これはイギリスで結成されたものであり。サウジアラビアの政治史では初のことであろう。政党名はナショナル・アッセンブリー・パーテイ、何処と無くしっかりした組織のような、印象を与えるではないか。

 今後この政党にはサウジアラビアの、反ムハンマド・ビン・サルマンの王族たちも、加わっていることであろうから、国を二分する動きになっていこう。加えて、アメリカはムハンマド・ビン・サルマン皇太子の、非人道的な政策に腹を立てているので、裏から支援を送るのではなかろうか。

:サウジアラビアがイランと緊張関係に

 サウジアラビアとイランは元から、スンニー派の総本山とシーア派の総本山、という立場であり対立してきていた。その事に輪を掛け、イエメン戦争ではイランがイエメンを後ろから支援していることで、だいぶ緊張している。述べるまでも無く、イエメンはサウジアラビアの重要施設を、狙って攻撃しているからだ。

 多分、これはトランプ大統領の、選挙運動の一環かもしれない。