『中東問題いろいろ』

2020年9月23日

:エジプトで反シーシ・デモ

 エジプトの特に南部地域で、シーシ大統領の反対するデモが、起こっているということだ。事の発端は民主的に選ばれた、モルシー政権が軍のクーデターによって、打倒されたことに対する怒りだ。このデモにはムスリム同胞団ばかりではなく、シーシ大統領に反発する、国民も参加していると伝えられている。

 そもそも、シーシ大統領が登場できたのは、サウジアラビアとアラブ首長国連邦、そしてアメリカの支援によるものだった。トランプ大統領はこのため何度と無く、シーシ擁護の発言をしている。例えば『最も好まれる独裁者』という表現を使ってシーシを賞賛し、『偉大なリーダー』とも言っている。

 このニュースはトルコの、政府支持紙サバーが伝えているために、大分値引きして読む必要があろう。ただエジプトに限らず世界は、コロナの影響で経済が悪化しており、国民の権力に対する反発が、起こっていることは確かだ。

 ムスリム同胞団とエルドアン大統領との、関係は緊密であり、リビアでもシーシ大統領とは対立しているトルコが、バイアスをかけてエジプト報道をするのは当然であろう。

:ヘズブラ武器庫爆発

 レバノン南部のアイン・カラで、ヘズブラの武器庫が爆発する、という事故が起った。この爆発ではビルのガラスが割れる程度であり、死傷者の報告は無い模様だ。ヘズブラの語るところによれば、この爆発した場所は武器庫ではなく、2016年のイスラエル戦争の際に放置されていた、武器があった場所だということだ。

 ただレバノン南部は常にイスラエル軍機が、領空侵犯をしており、何らかの工作がイスラエルから行なわれた、可能性は否定出来まい。

:トルコ・リラ下げる

 トルコの通貨リラが歴史的な、大幅の下げを記録した。火曜日には1ドルに対して7,6671リラまで下げたのだ。その前日には7,365リラだったのだから、下げ幅がきついことが分ろう。

 こうした極端なトルコ・リラ安が起こったのは、世界の市場がトルコヘの投資リスクを避けたことと、トルコ中央銀行が金利の変化を、許さない対応だからであろう。中央銀行は政府から独立している、と言ってはいるが、実際はエルドアン大統領の、指示のままに動いているのだ。

 従って、このまま経済が悪化していけば、国民はエルドアン大統領を、非難することに変わっていくのではないか。