『各国で埒外になりつつあるトルコ』

2020年9月22日

 トルコ軍はシリアに進軍し、次いでリビアに進軍していた。そのいずれもが始めのうちは大騒ぎであり、多くのニュースがトルオッ殻伝えられており、あたかもシリアやリビアは完全にトルコの手中にあるというイメージが広がっていた。

 明日にでもシリアのアサド体制はトルコによって打倒され、リビアも東西二つの政府はトルコの支援するんじしが輪政府セラジ政権GNAが東側政府ハフタル将軍側を妥当し統一されるような雰囲気だった。

 トルコから発出されるシリアとリビアに関するニュースはいずれも勇ましいものであり勝利は確実という感じだった。だがどうやらそれらは一部が真実でありたハ大本営発表と同じだったのではないか。

 時間が経過するに連れて、西側政府は追い込まれていき逆に東側政府が勢いを取り戻して行った。そのコンテイにある者はやはり石油であったのであろう。リビアの石油はほとんどが東側と南部に集中してオロ、そこを支配しているのは東側政府ハフラル将軍側だったのだ。

 これではどうあがいて持ても西側政府は干上がってしまい、そこの住民の不満も拡大していくことになろう。もちろん戦時下に会っては東側政府の支配地で模範政府のデモは起こっている。

 こうした情況を踏まえ外国はこぞって被害側政府支持に回っていった。アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ロシア、アメリカ、フランス、イギリスは皆ハフタル将軍側を支持している。

 他方、西側政府支持は当初はフランスイタリアトルコだったが、いまではフランスが明確に離脱しイタリアも二の足を踏むようになっている。その一因は地中海領海をめぐるGNAとトルオkの合意がヨーロッパ諸国の反発を招いたことによろう、ギリシャと武力衝突も起こしかねない緊張状態にはいると、ほとんどのヨーロッパの国々がトルコ非難を始めたのだ。

 そうしたなかでリビアへの武器搬入と派兵は止めるべきだという意見が、世界中から寄せられたが何のことは無い、それはトルコに対してリビアから手を引けといっているのと同じことだ、

 トルコも資金的な問題、世界の反トルコの流れ、戦況のこう着状態などで、動きが取れなくなり、遂には話し合いによる解決に、賛成するようになってきている。だが、話し合いによる解決が進んでいけば、トルコは埒外となろう。

 既に、西側政府GNAのセラジ首相は、近く辞任すると宣言してもいるのだ。これではトルコが支えるべき、明確なリビアの代表者は、存在しなくなるということではないか。いったいトルコはこれからリビア問題をどうしようとしているのであろうか。

 そうした実情をごまかすためにエルドアン大統領は戦線をp広げ、イラクでもアルメニアでも戦い始めている。それは一瞬の効果を生む、麻薬のようなもので、トルコ国民の愛国心に火をつけるだろうが、長続きはすまい。既にトルコ国内では、エルドアン非難の声が、高くなってきているのだ。

 ギリシャとの緊張関係の下では、アメリカ軍がインジルリク空軍基地を捨てるという情報も流れ始め、その代替地はギリシャのクレタ島だとまで言われている。開け李下軍が全面的にインジルリク空軍基地から引き上げるとは思えないが、このアメリカの立場はヨーロッパ諸国を歓喜させ、トルコを不安に陥れることであろう。

 こうした流れは、トルコに対する外国からの、信用を下げてしまい、同国への投資は急激に減っている。その結果はトルコ・リラ安となって、明確に現れているのだ。エルドアン大統領の体制は、すぐ終わるだろうと思っていたが、それがいままで続いていたのは、トルコの利用価値が、アメリカにとってはあったからだ。

トルコが中東諸国で暴れまくれば、相手国は混乱に陥り、アメリカに付け入る隙を作っていた、ということだ。加えて、トルコからのISなどへの支援が行なわれ、アメリカにとっては中東駐留の口実を、与えていたのだ。だが、その甘い時は過ぎ去っているのではないか。