『アメリカによるイラン非難と警告』

2020年9月21日

 アメリカの大統領選挙が近づくにつれて、トランプ大統領によるイラン非難のトーンは、高まっているようだ。それはイランのレスリング選手処刑に始まり、それがイラン国民の反発を激増させ、第二の革命が起こる危険性が、高まっているというものだ。

 続いて、イラン政府は北朝鮮の協力を得て、長距離ミサイルと核兵器の開発に向かっている、という話だ。これはイスラエルやアラブ湾岸諸国にとっては、まさに悪夢であろう。何時核兵器が自国を襲うかわからないという不安は、相当なものであろう。

 アメリカはイランが既に核弾頭を作る、全ての材料を揃えたので、年末までには核兵器を製造することが、可能だと言っている。つまり、イランの核兵器の脅威は、すぐそこまで迫っている、と言いたいのであろう。

 そうなると、これらアラブ湾岸諸国は皆、アメリカの軍事支援を期待し、自国を守ってもらうことを念願しよう。その結果は、アラブ湾岸諸国の全てが、アメリカの軍事的保護下に、置かれるようになるということだ。

 加えて、バハレーンに対しては同国のシーア派人口が、70パーセントを超えているということと、イランとの関係が最悪であることから、バハレーンではイランの工作による、体制転覆があるというものだ。バハレーンはアメリカ海軍の巨大な基地を持っており、イランとは戦闘正面にある国家なのだ。

 これに対して、アメリカはイランの軍事施設など、数十箇所を攻撃する計画を、既に立てている、と言っている。アラブ湾岸諸国に対しては、だから、イランからの攻撃は心配する必要はない、と言いたいのであろう。

 どうもこれらのアメリカ発の情報は、胡散臭い気がする。イランとの軍事緊張を盛り上げ、アメリカ国民も脅威の下に置き、それに敢然と立ち向かっているという、カウボーイ映画のヒーロー役を、トランプ大統領はやるということであろうか。

 そんな馬鹿げたトランプ流選挙活動が、まかり通るとすれば、アメリカ国民の知的レベルは相当低い、ということになるのだが。あるいはそこまで、アメリカではマスコミの影響力が、拡大しているということであろうか。