『理屈に合わないイランのアメリカ大使暗殺計画』

2020年9月15日

  アメリカ政府がイランに対して、アメリカの南ア大使暗殺計画を立てている、と非難し始めている。そんなことがあるのだろうか、と信じられない心境だ。一国の大使をある国が暗殺する計画など、ありえないだろう。

 いまのイランにとっては、どれだけ多くの国を見方に、取り付けるかが最大課題であり、そのような流れのなかでは、一国の大使を暗殺する計画を立てることはありえまい。しかも、これが超大国アメリカの大使となればなおさらだ。

 しかも、それが事前にばれてしまうようでは、なおさら信じ難いことだ。これはどう考えても、イランとの緊張を煽りたい、トランプ大統領の言いたいセリフではないのか。トランプ大統領はその事を強調し、国内にイラン嫌悪感を高め、そのイランに敢然と立ち向かっているトランプ大統領、というイメージを創り出したいのであろう。

 それは述べるまでもなく、トランプ大統領の選挙キャンペーンの、一部ではないのか。この嘘がばれたときは、どう言い逃れするのであろうか。私は関係無い、とでも言うのであろうか。

 こうした嘘がまかり通るのが、アメリカ社会だとすれば、これは社会病であろう。それを信じ、支持する国民が多いと言うことは、理性が何処かへ行ってしまった、ということではないのか。しかも、南アというアフリカの南端にある国の、アメリカ大使を暗殺する、なんてことはありえまい。

 南アはムスリム人口も少なくないことから、イランは彼らを使って、暗殺計画を実行する、とでも言うのだろうか。あるいは、レスリング選手を絞首刑にしたことで、イランは何でもやる国だ、というイメージがアメリカ国民のなかにはあり、それを助長するという狙い、なのであろうか。

 この手のホラ話は長続きはせず、早晩、マスコミの話題から姿を消すであろうが、嫌な話ではないか。我々は日本社会が、冷静に物事を受け止めることを、心がけるべきであろう。そのためにはある程度の知性と、常識の重視ではないのか。