『バハレーンのイスラエル正常化に猛反発』

2020年9月13日

 アラブ首長国連邦に次いで、バハレーンがイスラエルと関係正常化に合意したこれは予想通りであり、別に驚くことでは無い。バハレーンはアメリカ海軍の最大の基地であり、アメリカとの関係は長く深い。

 そのバハレーンは同時に、実質サウジアラビアの属領のような国家だ。石油が枯渇した後は、サウジアラビアが石油を分けてくれることにより、産油王国の形を維持しているのだ。しかも、バハレーンとサウジアラビアは、コーズウエーという橋で繋がれ、実質的には一国の形になっている。

 サウジアラビアの若者たちは、酒や女をバハレーンで調達しているのだ。バハレーンから帰国するサウジアラビアの若者たちは、酒を飲み過ぎた状態で、国境を通過しているという話は、何度も聞いたことがある。

 つまり、今回のバハハレーンとイスラエルとの関係正常化は、実際にはサウジアラビアとイスラエルとの関係正常化だ、ということだ。それだけに、パレスチナ自治政府の怒りは、ことさらに強いことになっているのだ。

 何故こうもパレスチナ政府は、怒りまくるのかといえば、パレスチナ自治政府にとってアラブ湾岸諸国は、最大のスポンサーであり、そこからの援助が削減されたり、止められることになれば、パレスチナ政府はやっていけなくなるのだ。

 パレスチナ政府の幹部たちの、贅沢振りは有名であり、大型ベンツを乗り回し、それ以外にも高級外車を、何台も持っている者も沢山いる。私もアッバース議長の息子のベンツに乗せてもらったことがあるが、大型の高級車だった。

 こんなていたらくだから、パレスチナが解放されることなどありえない。パレスチナ自治政府が徴収すべき関税は、イスラエルが徴税し、それを渡してもいるのだ。面倒なことは他人任せで、『パレスチナの権利と解放、独立』を騒いでいれば、飯は充分に食える、という構図だ。

 これを支持しているのは、イランでありヘズブラだが、これらの国と組織は、イスラエル非難の材料が欲しいだけであり、パレスチナの独立国家などということは、第一義ではない。あとはエルサレムの聖地を解放したいだけであり、パレスチナ自治政府支援は、その口実に過ぎまい。

 今回のバハレーンのイスラエルとの、関係正常化合意は、すべてのアラブ湾岸諸国の気持ちを、代弁したものであろう。もうパレスチナ自治政府のカモにはなりたくない、ということだ。そしてパレスチナ幹部の贅沢も、許さないということであろう。

 こうした状態でパレスチナ側に出来ることは、テロでバハレーンやアラブ首長国連邦のトップを脅すことであろう。しかし、一昔前とは異なり、テロもそう簡単ではあるまい。しかも、これにはアメリカのCIAのガードが、相当強烈に関与してこよう。

加えて、イスラエルのモサドも関与してくるのだから、爆弾の一発、拳銃の一丁の、持ち込みですら危険であり、しかも、パレスチナ人のこれらの国に対する入国が、相当厳しくなっていこう。

パレスチナ自治政府は、地道な建国への努力をしない限り、完全に未来を失うことになろう。幸い、トランプ大統領はいずれの形であれ、パレスチナに国家らしいものを持たせる気でいる。それに乗ることだ。

これまでパレスチナは大きな夢と強欲で、何度もチャンスを逃してきている。今回は地道な考えに基づいて、行動すべきであろう。もし本当にテロに訴え、バハレーンなりアラブ首長国連邦の政府高官、首長を暗殺するようなことをすれば、もうパレスチナ人の住める土地はなくなろう。