トルコからは最近、悪いニュースが重なって伝わっているようだ。第一は失業率の増加が上げられよう。最近の調査では失業率が、全体で13.4パーセントを超えた、ということだ。加えて、若者の失業率は16.1パーセントとなっている。実際には若者の失業率は20パーセントを越えていることであろう。
失業中の若者は親から小遣い銭を貰い、タバコを吸いお茶を飲んでいるが、それもそろそろ限界に、達するのではなかろうか。それは親そのものの、懐事情が厳しくなってきているからだ。そして物価の高騰もあろう。
農業部門以外では、失業率が15,9パーセントとこれも高い。失業率の上昇は社会不安の、最大の原因であり、今後、トルコ社会は政府に対する、不満が充満していくことであろう、と思われる。
建設費の高騰もこれを、押し上げるのではないか。トルコの建設業は、トルコの主要産業となっているが、7月の段階では、7.5パーセントの上昇となっている。その原因は資材の価格上昇が、7パーセントであり、労働賃金の値上がりが、15パーセントだということだ。
このため政府は内装や什器などは、国内産でまかなおうと思っている。また建設資材にしても然りであり、これからは国内産の資材が、使われるということになろう。しかし、エレベーターやエスカレーターなどは、国内産では不適当ということになり、今後も輸入製品が用いられる、ということだ。
この結果、国内製資材の取り入れにより、15~20パーセント建設費は低下するのではないか、と思われる。その結果、中小の住宅価格は値下がりが、期待できよう。
どうもこれら二つのニュースを見ていると、トルコの今後は安定しないのではないか、と思われるのだが、外国からもトルコの威信に関わる、ニュースが幾つか入っている。第一には、フランスのマクロン大統領が、東地中海問題で、トルコを非難していることだ。
第二には、リビアからはトルコが支援する、セラジ政権GNAの警官たちが、デモ隊に対して、機関銃で応戦したことが、世界人権委員会からの、非難を生んでいる。間接的ではあるが、これはトルコの責任ということになろう。なんとならば、セラジ政権は言わばトルコの傀儡政権のような、情況に置かれているからだ。
そうでなくとも、トルコのリビアに対する対応は、世界中から非難を受けているが、今後はますます、非難の声が高まる、ということであろう。リビアへの武器や傭兵の搬入は抑えろ、というアメリカを始めとした国々の主張は、トルコそのものを、非難の対照にしているのだ。