『サウジ・イエメンが空路遮断のし合い』

2020年9月 9日

 日本ではほとんど報じられていないが、サウジアラビアとイエメンとの戦争は、5年過ぎてなお続いている。イエメン側のホウシ・グループによる、サウジアラビアの石油施設や空港への攻撃が、何度か繰り返され、大きな被害をもたらしていたが、それも当分の間、報じられなかった。

しかし、ここに来てイエメン・サウジアラビア戦争は、激化しつつあるようだ。イエメン側の攻撃でサウジアラビアの、アブハ国際空港が閉鎖されたが、他方、イエメンのサナア空港も、サウジアラビアの攻撃によって、封鎖されているようだ。

こうなると、両国は世界から孤立された感があるが、今後どうなるのであろうか。長期化すれば、当然ことながら両国の経済状態は、悪化しよう。加えて、外部に漏れてくるニュースが少ないことから、非人道的な武器が使用され、多くの死傷者が出ることになろう。

サウジアアラビアは元来、国内ニュースを外部に、流さない国だが、それがもっと強化される、ということではないか。まさに密室の殺人、という感じであろう。

イエメンのサナア空港が、使えなくなった原因の一つは、燃料がないからだ、と空港責任者のムハンマド・アブドルカーデル氏は説明している。彼の語るところによれば、サウジアラビアの攻撃で、空港施設の多くが破壊され、燃料タンクが破壊され、レーダー・システムも破壊されたということだ。

ここで登場するのは、国連ということになるが、イエメン国内が極めて混沌としており、危険度が高いために、イエメンに関する情報は直接ではなく、間接的なものだけということになる。これでは暗闇で、象を山と見るか象と見るか、の世界ではないか。

今後も当分の間、サウジアラビアとイエメンとの戦争が続こうが、そのなかで多数の犠牲者が、イエメン側に出るということだ。過去5年間で、10万人のイエメン市民が犠牲になった、という報告がある。